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​炬火 Die Fackel 

 東京都議会議員選挙の期間「共産党隠し」が行われた。

 あきらかに故意で、都議会の野党第一党だった共産党の政策など紹介しないマスメディアの不公正ぶりが色々と指摘されている。

 しかも、共産党の当選者には取材せず、全滅した「石丸新党」の「再生」を取材している始末。


 この石丸新党は都知事選挙の勢いに乗ろうとして自民党と同じ立候補者を立てた。

 それがすべて落選した。ということは、やはり、あの都知事選挙での唐突な石丸の盛り上げは、野党票の分断を謀って各方面から支援があったからだったのだろう。それで持ち上げられたのを自分の実力だと錯覚したようだった。

 実際、小池に当確が出たら石丸陣営から「よし、うまくいった」と拍手まで起きたと言われていて、その時に石丸当人は自分を応援している人たちの意図に気づくべきなのに、間抜けだから気づかなかったわけだ。  


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 水道料金の一部を無料にすることは象徴的だった。

 都政で、共産党の政策が反対されていたのに後から実施されると、都政与党の成果として宣伝された。 そのための共産党隠しだったことは明らかだ。

 これに共産党は党として各メディアに抗議をするべきだと言う人がいる。ただ、どうすれば適切かはメディアによって異なる。 そのネグレクトの先陣であった朝日新聞は社則で「不偏不党」を標榜しているから、あの共産党ネグレクト報道は明らかに違反である。だが、あくまで内規違反。従って不買運動が適切である。

 一方、TBSらテレビのネグレクトは、選挙で不平等な報道すると放送法違反だから、共産党ネグレクト報道はBPOに訴えるべき案件である。

 

 
 
 
  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 6月26日
  • 読了時間: 4分

更新日:7月4日

 『ブラジルから来た少年』という小説がある。

 これは『ローズマリーの赤ちゃん』のアイラレヴィンが、そのあと10年後に発表して話題なったものだ。それまで短編小説を発表するだけだったので「一発屋」と思われていたけれど、そうしたら次の小説を発表して凄く面白いと話題になり映画化もされた。

 その内容は、『ローズマリーの赤ちゃん』と同じく狂信者たちの邪悪な意図から産まれた子供という話で、それがオカルトからSFになったというものだ。ついでに言うと『ローズマリーの赤ちゃん』は映画化が好評だったけれど、小説の方が圧倒的に面白い。


 『ブラジルから来た少年』は、ナチの残党の謀略と、それを阻止しようとする老人の話だ。

 ナチ残党たちによる不可解な連続殺人事件があり、殺された男たちに何のつながりもなかった。ただ、妻が二十歳年下で息子が十二歳という、同じ家族構成だった。そして息子たちは一卵性双生児のようにソックリな顔をしていて、実はみんな養子で、ブラジルの産院から欧米へ養子に出されていて、その産院でそっくりな子供を生んだ女性たちは全員が金で雇われた代理母だった、ということが判明する。そうなると考えられるのは、人工授精による受精卵の遺伝子を除去し、そこへ血液から取り出した遺伝子を移植して同じ子供たちを作ったということ。つまりクローン人間である。

 そして、人格形成も同じにするため同じ家庭環境で育つように養子に出した。そして十二歳になったら父親を殺したのだ。つまり、公務員で堅物の父親は息子の勉強にうるさくて、勉強ばかりでは子供が可哀想だと妻は言うけれど、年上の夫は亭主関白で妻の言うことなど聞かなかった。ところが息子が十二歳になったとき父親が急死する。それで同じ条件にするため養父を殺害したのだ。

 こうすることで、父親の死によりガリ勉から解放された息子は画家を志望するが、描いた絵が認められず、そのうち縁あって政治に関与するようになり、ついにドイツの総統になる、という人と同じ人間を大量生産する計画だった。

 この計画を知ったユダヤ人の老人は、その中心になっている医師を追跡する。その医師とは、あのヨゼフメンゲレ博士だった。


 ヨゼフメンゲレは、731部隊の石井四郎とともに、人体実験で悪名高かった。

 実際のメンゲレは南米に逃亡すると死ぬまで逃げ続けたが、その間に危ない研究をしているなどとSFのネタに何度もされていた。日本のSF特撮もの『マイティジャック』にも登場し、密かに日本に来ると美容外科で金儲けしていた。日本の女性に、手術で鼻を白人のように高くしてやるということで。もともと美容外科と人種差別は縁があるものだ。

 そのメンゲレをネタにした代表的なSFが『ブラジルから来た少年』だったが、ヒットラーのクローン人間を作っていたことに辿り着くまでの謎解きの経過が実に面白い。そして、そんなことをしてもナチスの復興に役立つとは思えない、時代状況を考慮していない、という当然の指摘がナチス残党たちの間から上がりメンゲレと対立する。


 ナチの残党を追及するユダヤ人の老人は、あのサイモンウイーゼンタールがモデルである。

 ここで彼は、ナチの収容所で妻子を失っているから執念の追跡をしているけれど、そのナチ残党狩りは復讐のためではなく、裁判にかけるためであり、なぜなら戦争や差別を無くすることが真に犠牲者たちへの追悼になると考えているからだ。

 ところが、ユダヤ人団体の過激派は、彼が入手した養子縁組先のリストを渡せと迫る。危険な芽は摘んでおくべきだから、その子供たちを殺すと言う。それではナチスと同じ発想である。だから主人公はリストを渡せと迫られても拒絶して燃やしてしまう。


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 このユダヤ人団体の過激派と同じ発想は日本にもある。

 先代の天皇が皇太子だった時「テニスコートの出逢い」がマスコミに流された。あれは仕組まれたものだったが、それを「皇太子成婚」と、あの当時に普及したばかりだったテレビで大々的に流した。とくに安保のことがあり、時の政府は強い批判を受けていた。そこから国民の意識を逸らそうとするプロバガンダだった。これは上手くいった。

 こういうことがあったので、皇族をメディアが美化してることには要警戒だと批判したところ、右派からではなく左派から非難があった。先日もSNSであった。メディアを利用したプロバガンダの危険より、戦争で日本の中心にいたヒロヒトの血筋であることが危険だと言うのだ。それではナチスを批判してナチスと同じになっているユダヤ人過激派と同じではないか。

 そういう人が日本にいて、他の指摘は一切受付ないのだ。これは小説や映画ではない現実である。

  

 

 
 
 
  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 6月25日
  • 読了時間: 2分

 選挙について公正を期すためネット規制しろと言う人たちがいる。

 もちろんこれは、自民党の側からのものだ。つまり言論弾圧の口実であること見え見えである。ところが、自民党に批判的な人でさえ、ネットにデマが流布されているのが深刻という認識である。そんなものはちっとも害がないから、問題にすることはないのに。

 それに少しは騙される人がいるだろうけれど、圧倒的な多数の人達は直ぐに気づくものだ。


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 デマに対抗するためにはマスコミが正しい発信をすべきと言う人もいる。

 つまりマスコミ妄信である。どういうわけだか、政権に批判的な人が、マスコミを正しいと思っている。マスコミがあからさまな嘘を垂れ流しているから、それに多くの人たちが騙されて、失政や腐敗の連続である政権が維持されている、という認識がない。

 そもそもマスコミはネットどころではないデマゴーグである。


 どうして、もともとは常識だったことが常識ではなくなったのか。

 もともと、というのはマスコミが権力と金力に弱いという認識のことである。これと同じ図式で、ネットでデマが流されているにすぎない。

 だから、ネットのデマに対抗してマスコミが正しい報道をするべきだというのは、とんでもない間違った認識に基いた戯言である。


 ネットのデマは選挙に悪影響すると言っている人がいる。

 それは本気で言っているのだろうか。それなら、この間の都議会議員選挙で、大手の新聞とテレビが、与党を贔屓して、野党でも与党の亜流だと議席も実績もないのに取り上げて宣伝し、野党第一党である共産党をネグレクトしていた実態は、どうなのか。

 こんなことばかりしているマスコミが正しくて、ネットはデマばかりだと言っている人たちは、なんなのか。


 それは自民党を応援するための工作だろう。

 自民党を有利にしようとする報道という名の世論操作をしているマスコミを正しいと信じさせて、これを批判する人がネットに投稿しても信じさせないようにしているのだ。そうでなく本気でマスコミは正しいと思っているとしたら、その人はだだのバカである。

 そういうバカもいるだろうが、そうではなく、自民党に批判的な人の多くは偽装である。騙されてはいけない。


 
 
 
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