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​炬火 Die Fackel 

  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 5 日前
  • 読了時間: 3分

 前の話題で、努力は必ず報われるというのは嘘という問題を取り上げた。

 それに補足すると「努力は必ず報われる」と言う人は誰なのかに気をつける必要がある。まず、それをよく言う人の最たる者は学校の教師である。これは立場からして、そう言わないわけにはいかない人である。だから本心でなく口から出まかせのことが大いにあるから真に受けるのは愚かだ。

 また、スポーツ選手だった人も、よく言う。特にプロ野球の監督であるが、この人達は人気商売なので、子供の教育に単純で解かり易い話を世間一般が求めがちだから、それに合わせてリップサービスしているだけであり、この虚飾は他の発言からも容易に見抜ける。



 しかし、ほんとうに問題なのは努力が裏目に出ることだった。

 よく言われる綺麗事のとおりに努力が報われるのではなく、努力が虚しい、努力は無駄、それどころか努力が裏目に出てしまい人生が絶望ということにもなる。これは運や縁が無い人が不自然なことをすると、その結果として無理が祟るという事態に陥ってしまうということだった。そういうのが前回の話だった。

 また、その無理が祟るという場合の多くは、人の悪意に曝されるからだ。そんな話もしていた。この、人の悪意には、殺傷に至ることもある。


 では、なんで悪意に曝されるのか。

 これが今回の議題である。それは、恵まれていない人がそれを克服するために努力すると、目立ってしまうからだ。

 だから、家庭的経済的に恵まれていない人が頑張ると、それを見て生意気だと敵意を抱く者がいたり、働いて貯蓄していると奪おうとしたり、そういう悪意に曝される。

 これで、金を奪われるだけでなく、そのさい暴力をふるわれて殺傷されることにもなる。こういう事件は昔からたくさんあった。


 つまり努力すると死ぬ人がいる。

 これは、安静にしていないといけない人に無理矢理スポーツをやらせるのと同じである。ただし、これは喩え話とばかりもいえない。医師から絶対に駄目だと言われている人に強引にスポーツをやらせて、やれば健康になると言って無理強いの挙げ句に死なせてしまったという指導者失格の教師など、現実にいたものだ。


 それと実は同じなのが、恵まれていないのに努力することなのだ。

 その悲劇を煽り立てるのが、恵まれていないなら努力で克服するべきだ、という嘘である。この嘘をつく人たちの中には、そう言って成果の横取り、あるいは金を貯めさせて隙あらば奪おうと、狙っている人が含まれている。そのように最初から計画的である場合もあるが、最初は善意で励ましていても後から金に目が眩む人もいる。そして強奪のため殺傷されもする。

 これを避けるのは困難である。だから、努力は、していい人と、してはいけない人がいて、恵まれていない人は努力してはならないのだ。努力できるのは恵まれている人だけである。これを自分で見極める必要がある。

 
 
 
  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2025年12月15日
  • 読了時間: 3分

更新日:2025年12月16日

 かつて井上ひさしが『文芸春秋』に書いていた。

 戦争になった当時、時局に便乗して「アメリカをやっつけろ」と息まく庶民がいた。それに対して彼の母親は「アメリカと戦争するなら太平洋を挟んでのことになり軍艦や軍用機が肝心なのに、それを作る鉄も動かす石油も日本はアメリカから輸入している。これでは勝てるわけがない」と指摘した。そしたら「非国民」と非難されてしまった。

 彼の母親と同様に気づいている人は大勢いた。しかし井上ひさしに言わせると、彼の母親はおしゃべりで、言っても解らない人に対しても口に出してしまうから困ったことになる。これに懲りた彼の母親は、後に田舎の街に有名人が来て公演すると聞きに行き、そこで周囲の人達に聞こえよがしに「いい話だ。この街の人達には解らないだろう。もったいない」と言うから、息子としてはハラハラさせられたそうだ。


 かつて美輪明宏も言っていた。

 中曾根康弘もと首相が、自分は東大を出てエリート官僚になり海軍にもいたことを以て「海軍魂というものを君は知らないだろう」と言うので、美輪明宏は「もちろん知りません。その当時、私は少年でしたから」と答えた。そして、



 「しかし学校で軍事教練はやらされました。でも原爆でやられたりして日本は戦争に惨敗しましたね。私も長崎にいて被爆し、その後遺症で今も苦しんでますよ。なんで、こんなことになったのでしょう。自慢するほど立派な海軍魂があったのに。それに、偉い人は敗北の責任をとって切腹するかと思ったら、それもしない。部下を大勢犠牲にして自分は生き延びる。それが海軍魂というものなのですか」

 これに中曾根康弘は怒って席を立ってしまったそうだが、美輪明宏は「あんなエリートの人が、こんな芸人風情に、なんであんなことを言うのか」と疑問を呈していた。

 そして、戦争に必須の軍艦や軍用機を作る技術も資源も満足でなかったのに、根性でなんとかなると言うのが当時の日本で言われていたことだったから「それだけ日本人が野蛮だったということ」と美輪明宏は指摘していた。


 それから日本人は、どうも進歩してないようだ。

 あの高市首相の国会答弁のさいの失言、しかも今どき「戦艦」なんて言ったりするのに対して、マスメディアがあからさまな嘘によって首相を擁護し、当時者のアメリカからも高市首相の態度は迷惑がられているということを隠蔽して、高支持率の演出で日本人は耳目を塞がれた状態である。

 そして中国とは経済的に密接だから戦争なんてとうてい出来ないという現実を認識できていない。経済的に大打撃を被ってもお構いなし。反中国を訴えて選挙に出た人が、中国製品の不買を呼びかけているさいのマイクが中国の有名なメーカーのもので、演説しているさいロゴがハッキリ判ったから笑われていた、なんてことまで起きている。

 こうした軽はずみな精神論だけで深く考えないのは昭和の価値観と言われるようになったのは良かったが、それは残念ながら部活が改まった程度のことで、もっともシリアスな政治経済では昭和のままということなのだろう。

 

  

 
 
 
  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2025年12月4日
  • 読了時間: 2分

更新日:2025年12月5日

 よくある警官の対応について。

 何かの被害に遭って警察に相談した時に舐めた態度をとられた時は、警察手帳の提示要求するか所属と階級と名前と職員番号を訊き、それを録音したり録画したらいいとか、職務質問が不当だと思ったら警官の写真を撮るなどすると対応が変わるとか、そう言う者に対し、そんなこと無いと言う者がいた。

 これは昔から言われてきたことだ。


 そして現実は、どうか。

 もちろん撮られるのを嫌がる警官もいるけど、そんな状況には鉄面皮の警官が出るのだから撮られても平気でいる。

 また、これをよく言う人がいるけれど、しかし警官に敬意を持って対応すれば優しくされるというのだけは嘘。



 撮影はかまわない。

 公務執行に際し名乗る義務があり、公務執行中の公務員に肖像権は無い。警官に名乗らせたり撮影したりは当然である。ただ、その程度で警官の態度が変わると思うのは甘いと言うならともかく、それをやめろとか警官は正しいから素直に従えとか敬意を払えとか、そこまで言うのは怪しい。SNSのアカウントなら警察の工作を疑ってもいい。

 

 まず、撮影されて平気だと強がって見せる警官の動画の投稿は何か。

 これは、それだけ警察が撮影を嫌がって牽制していると疑うに充分すぎる。実際に、これまで結構な数の警官の姿を撮影して外国のサイトに保存して一定間隔で延長しないと自動的に公開されるようにしているけれど、その撮影のさい嫌がらなかった警官はいなかった。

 つまり、かまわないから撮れと強気で居直っていても、実は嫌なのだ。


 それよりもっと深刻な問題がある。

 職務質問でもガサ入れでも逮捕でも、制服を着て警察手帳や令状を提示するが偽造で、これにより金品を持ち逃げされたり、押し込み強盗されたり、暴力をふるわれたり、拉致されて性暴力被害に遭ったり、という事件が頻発している。

 だから、貴方も本物の警官か解らないと言うべき。そして、そんな疑いをいちいちかけられたら警察の仕事が成り立たないと言うなら、偽警官をなんとかしろ、である。

 
 
 
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