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​炬火 Die Fackel 

  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2022年7月20日
  • 読了時間: 3分

更新日:2022年7月20日

 昨夜、道路の真ん中で規則的な動きをする何かが見えた。

 近寄って見たら猫だった。下半身が潰れて血まみれ、もがいている上半身の右前足だけが繰り返し虚しく空を切っていた。自動車に轢かれた猫の死体なら誰でも何度か見たことがあるだろうが、身体の一部だけ動いているのに出くわすことは珍しいだろう。これが明るければカラスのえじきである。

 これをスマートフォンで撮影してツイッターに投稿したら、残酷だと非難されるだろうが、面白がる人たちもいるはずだ。


 時々、動画サイトに猫を虐待する様子を投稿する者がいる。

 動物虐待は犯罪であるし、動画を見た多くの人は不愉快である。それでもやりたがるのは、もちろん性格的に危ない人もいるが、猫が嫌いな人もいる。それで残酷に殺したいと思う人がいて、殺す絵を描いて悦んでいる人たちがいるけれど、実際に殺す人たちもいるのだ。


 池田小学校襲撃事件の犯人は子供のころ、犬猫に火をつけ焼き殺していたといわれる。

 彼は、元首相を殺した元自衛官と同様に、犯行動機に進学が絡んでいた。元首相殺害犯のような宗教がらみと違い、池田小学校のような名門校の受験を親がさせてくれなかったので、嫉妬していたということだが。それに、不祥事で自衛隊を辞めせられていたし、その問題を起こした原因も含めて性格的に危ない奴だといわれていた。この反映の一つが動物虐待と見られていた。


 それとも違い、具体的な体験から猫が嫌いになる人もいる。

 例えば、これは自分の同級生だが、小学生の時に雛を庭に放していたところ、目の前で猫に獲られてしまい、その時のショックからトラウマで猫が嫌いになってしまった。



 こうした性格または体験からではなく、猫そのものが嫌いな人がいる。

 よく、猫に魔性のようなものを感じて嫌う人がいる。日本にも化け猫の話があるし、西洋では魔女と一緒にいるなどの話がある。

 そういう神秘的なことではなく、喘息だから毛が生えた生き物を避けているので犬も猫もだめだが離れて見るぶんには平気であるという人とも違い、猫は犬のように忠誠でないから嫌いというのでもなく、猫の外見に生理的嫌悪感を覚える人たちがいるのだ。

 かつて隣に住んでいた一家―のおばあちゃんが、猫を見ると箒を振り回して追い払っていたが、その時の顔の表情が実に気持ち悪そうで、ゴキブリやムカデを見てもここまでではないだろうという感じだった。猫だけである。


 よく猫が嫌いな人は、大きな目が怖いとか筋肉質な身体つきが気持ち悪いとか言う。

 それで、中には憎しみのあまり残酷に殺したいとまで思う人がいるのだ。猫が好きな人には信じられないだろうが。


  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2021年10月4日
  • 読了時間: 2分

 先日死去した立花隆はオーディオマニアとして知られていたが、その双璧くらいに言われていたのが赤塚不二夫だった。

 かつて生前の赤塚不二夫がテレビのインタビューを受けていた時、壁一面が棚になっていてレコードがギッシリだったという話を知人にしたら「彼はオーディオマニアだから」と言った。この知人もオーディオマニアだった。

 彼はオーディオ熱が冷めていたけれど「あんたがオーディオフェアに連れて行くから再燃してしまった」と言った。FM雑誌を読んでいたら、来週池袋のサンシャインシティでオーディオフェアが開催されると書いてあった、という話をしたところ、この人が勇んで「行こう」と言いだし、それで行ったらウグイス嬢たちが最新機器を紹介しているのに刺激されて彼は、あれも欲しいこれも欲しいと言い出した、というのが真実である。


 もう一つ、テレビで赤塚不二夫の自宅内が映ったのを見たことがある。

 その時はネコの話だった。赤塚不二夫が飼っているネコは、仕草がユーモラスなのが受けてCМによく出ていた。その出演料のほうが漫画の原稿料より多かったのではないか、オレよりネコのほうが稼いでいたのではないか、と赤塚不二夫は言っていた。そのさいネコが歩いている後ろに大型で高価そうなスピーカーがあった。

 よく、ネコがスピーカーのサランネットをひっかいて破くことがある。前に近所の同級生が、大事にしているステレオを母親の飼っているネコにやられて嘆いていて、しかもそれを彼の母親は平気でいるから怒っていた。


 そのころ、うちにも母親が勝手に拾ってきた仔ネコがいた。

 これを可愛いと言ってばかりで世話は全部こっちがやる羽目になったので困っていたが、このネコはスピーカーのサランネットをひっかこうとしたから叱ると、もうやらなかった。そして布張りの壁をひっかいていた。

 この仔ネコは元気だったけれど虚弱体質でもあったので長生きできなかった。そのあとしばらくはネコがいなくて平穏だった。


 ところが、たまたま読み終わった文庫本を母親が表紙に魅せられて読んでしまった。

 それがハヤカワ文庫ロバートAハインラインの『夏への扉』だったから始末が悪い。またネコが飼いたくなったと言い出した。どうせ自分で世話しないくせに。しかし、その後は大学に行くため親戚のうちに居候していたから煩わされることなかった。自分のことに集中して「これからは、いつだってグッドイーティングさ」という晴れ晴れした心境であった。

 

 これはネコが表紙のようにしていたので撮った写真である。



  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2021年6月19日
  • 読了時間: 2分

更新日:2021年6月24日

 コンビニ店で飲物を購入し、今は新型肺炎のためイートインが使えないから、外の店頭で飲んでいると、そこへ犬を連れた人が来て、犬を柵につないで入店した。

 この犬はおとなしかったが、それでも犬が苦手な人だったら、こんな近くにつながれては嫌なはずだ。そんなこと、飼い主は全く考えていないようだった。


 よく、店頭に犬をつないで入店するのは止めてください、という注意書きがあるけれど、これは、まず犬が怖い人もいるし、また犬が人に噛みつくなどの危険があり、逆に乱暴な人から犬が危害を加えられることもある、からだろう。

 それに、犬を気に入った人が連れ去ってしまうこともある。


 あの時の犬は顔に愛嬌があって、他に通りかかった女性が見て「あら、可愛いわね」と言った。

 だから「うちの子になりなさい」と連れて行ってしまう人がいる可能性もあった。実際に、他人様のペットを連れ去る奴はいる。前に住んでいた家の隣人が被害に遭っている。人間の子供を身代金目的ではなく可愛いからと連れ去る事件があるけれど、これがペットだと罪の意識が薄れるらしい。

 しかし、ペットは法的に所有物だから誘拐にはならないけれど窃盗になるし、家族も同線にしているのだから、盗まれたらまた買えば解決とはならない。



 かつてデビット-ボウイは、息子と散歩している時に、犬と散歩している人と出遭ったところ、その犬を息子が気に入ってしまったので、売ってくれと飼い主に頼んだが断られてしまった、ということがあった。

 そのさい、息子のためなら金に糸目を付けぬと言って、じゃあ100万ドルと言われても出そう、くらいに思っていたそうだ。彼は金ならたんまり持っているので。

 しかし、いくら金を積まれても駄目だと言われてしまったということだ。


 それくらい大切な存在なのだから、盗むのはもっての外だし、盗まれたり乱暴されたりの心配があるのだから、また怖がる人もいるのだから、安易に店頭につながないことだ。



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