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​炬火 Die Fackel 

  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2025年9月23日
  • 読了時間: 3分

更新日:2025年9月27日

 国勢調査員がうろついている。

 それで変な人が居ると怪しまれたりしている。これは老人の小遣い稼ぎにもなっている。そこで心臓に持病がある80歳の男性が従事していて仕事している最中に死亡していたと報じられていた。

 この国勢調査は昔から苦情が多かった。家族構成から収入に関することまでプライバシー情報の最も重要なことを調査票に記入するので、不適切な扱いがあれば深刻であるし、そうでなくても不愉快になる。

 ところが、調査員が記入漏れなどを確認すると言って見てはいけないものを見てしまうことがある。これはかなり酷いようで、あちこちで起きているから新聞の記事にもなっていた。



 そこでお節介な大家さんが、とんでもないことをする。

 このことも雑誌の記事になっていた。住んでいるアパートの大家さんが、落語に出てくる長屋の家主と同じ感覚でいるものだが、その一環として、国勢調査を回収に来るさい不在にしていてもいいように大家で預かり調査員に渡してあげるという余計なお世話をしている。実は親切ではなく、他人のプライバシーを見て楽しむためだ。だからプライバシー保護のため封をしているのに開封してしまう。

 だから、自分で渡すから預かってくれなくてもいいと言っても、どうしても預かると言ってきかない。それで無記入で封して渡すと「何も記入してないとは何事だ」と怒鳴り込んでくる。だから「封をしているのに開けたんですか。そんなことしてはいけません」と言うけれど、その意味が大家には解らない。そして大家の奥さんが優しく「難しかったかな。他の人の見ますか」と言ったそうだ。

 こんな人たちは、自分のやっていることがノゾキであるとは気づいていない。覗き趣味なんて悪趣味の最たるものだが、その当人は自覚してない。


 そもそも国勢調査は必要なのか。

 かつて始めたころには意義があるとされていた。そして、あくまで統計のためにする調査であるから、回答するさい氏名は本当のことを書かずに偽名を記入するべきだと言う人や、それを実行している人が昔からいた。

 こんな調査は必要が無いという指摘もある。自分も最初はプライバシーの問題から匿名で記入するべきだと思っていたが、今はそうではなく国勢調査そのものが無用であり予算の無駄使いだと思うようになった。


 だから国勢調査はボイコットしている。

 国勢調査に応じるのは国民の義務だと調査票の封筒に謳われているが、なんのために調査するかを考えると、その調査結果に基いて色々とやることが政府にはあるのに、その義務はさっぱり果たされないのだから、まったく意味が無いのだ。

 だいたい、80歳の心臓疾患がある人が働いて死んでいる国で、何を調査するのか。

 

 うちの母親は国勢調査は危険だと昔から言っていた。

 もともと、社会的な意識が高い人ではないのだが、それでも容易に理解していた。国勢調査の類は内容からして権力による統制につながるものだと言っていた。

 ところがうちの父親はニタニタしながら「国民の義務だからな」と言って喜々と調査票に記入していた。そして封も糊付けしなかった。

 これについて、うちの母親は、言っても解らない人に言うだけ無駄だと諦めていた。確かに、鈍感その他の解らない人たちに説いて聴かせるほうが野暮というものである。

 だから国勢調査についての問題はこのへんで止めておく。解かる人はとっくに解かっているはずだから。

 ただ、調査票は手渡しすると指示されているのに、今回うちも近隣も郵便受けに入っていた。担当する人が、回収する気もなくやっているからではないだろうか。

 

 
 
 

 拙書『防衛医大…』https://amzn.asia/d/iyi83a4に関連する話題が出ていることである。

 被告側の医師が、その弁解のなかで、自分は日本で唯一、それに関する論文を発表しているから、他の医師が知らないことを知っているという奇妙な自画自賛した。その論文の中身こそが問題になるが、それ以前の問題として、その医師はこの件について法廷で積極的ではなかった。病院の側に立つ弁護士が積極的に言っていただけで、それを法廷で言われても医師は口を濁していた。

 実は、その医師は論文を書いていなかったのだ。


 その医師は同じ医大の他の医師が書いた論文に連名していただけだった。

 そして、実際に書いた医師は、そのあと出世して、他のもっと格が上の医学部の教授となっていた。一方、被告の医師は格下の医大の講師止まりであった。

 それなのに「日本一」と弁護士から法廷で言われたのだから、医師としては口を濁して当たり前である。

 もともと理科系では、研究に直接の関与がない者まで論文に連名することが普通にある。これを、弁護士は文系なので知らなかったのだろうと言う人がいた。この人は大学院で理系であった。



 しかし関与してないのに連名するのは弁護士もやることだ。

 これは複数の弁護士が属している法律事務所が、よくやっている。実際には弁護士が一人で当たっているのに、同じ法律事務所の弁護士たちが訴状で連名する。要するにコケ脅しである。古くて手垢まみれの手法だから、今時やるとしたら相手が弁護士を雇っていない場合である。

 このようなコケ脅しを研究論文では用いないと思っているのだろうか。そこまで無知なのだろうか。いくら文系でも御粗末すぎる。


 もちろん弁護士には目論見があった。

 その中身を差し置いて、論文を発表したから「日本一」であると強弁し、だから間違いがないと滑稽なほど言い張り通した。他の専門医の鑑定や意見は無用だと必死で抵抗した。これで通用すると本気で思っていたかどうかは不明だが、こうするしか他に方法が思いつかなかったようだった。

 それでも「政治的配慮」を裁判所に求めてのことなら、あり得るやり方である。特に自衛隊関係の場合は。


 ここで深刻なのは医師の医学界での立場と面子である。

 なぜなら裁判とは別に、医師が恥を曝してしまうので。これは実際に、その医師が他の医師たちから言われていた。その医師の年齢やキャリアからして「日本一」なんてあり得ないし、仮に高い評価を受けている人でも「日本一」だから間違わないなんて、とんでもないこと。しかも連名した論文を持ち出しコケ脅しに利用するなんて、裁判官も文系だから騙せたとしても医学界では笑い者である。

 つまり弁護士は、訴訟の戦術しか考えておらず、その影響で自分の依頼者の側に居る者らがどうなろうと知ったことではないのだ。これは弁護士全般に言えることである。

 だから弁護士に依頼する場合、これも考慮しなければならない。むしろ料金のことより重要だ。

 

 

 
 
 

更新日:2025年9月19日

 元裁判官の瀬木比呂志さんと岡口基一さんが、それぞれ著書で述べていた。

 司法記者が司法に無知なので、裁判の判決文を読んでも意味が解らず、それで裁判所から「判決要旨」をもらって記事を書いているのが現状である。

 こんなふうに教えてもらってばかりいるから、報道が司法に対しての監査とはならない。司法記者なら法的な勉強をして理解力を付ければいいはずだが、それを楽をするため新聞社と裁判所が癒着する。

 これでは司法に何か問題があっても批判できるわけない。



 前に立川の裁判所で裁判官から言われたことがある。

 これは自分が提起した民事訴訟でのこと。敗訴した相手方がblogで愚痴っていたさい、その判決への批判が無茶苦茶な内容だったから、この裁判を傍聴に来た第三者がコメント欄に、あんたの判決批判は間違いだぞと指摘する投稿をしていた。そういうことがあった。 

 これを後に別件のさい裁判所で言った。関連があることだったからだ。すると裁判官に言われたのだ。当時者とはいえ素人だから間違いがあっても当たり前なくらいだよ、と。


 新聞記事でも、判決の報道で無知に基づく間違いを書いていることがある。

 その女性の裁判官は言っていた。判例時報でさえ読んで首を傾げることがあるくらいだから、素人の記者が書いている記事なんか毎度のように無茶苦茶なものだ。

 そう言われても仕方ない現状だけれど、それで新聞社として強い司法記者を養成したり、司法記者が強くなろうと鍛えたり、ということはない。楽をしたがっているだけでなく、新聞社が役所と癒着して、そこからはみ出したりする者は排除するという、よくある図式が出来ているのだろう。


 そうなると報道が裁判所から操作されることになる。

 これに異を唱えると、ほんらいは監査する立場である報道が、裁判所の側に立って異を唱える市民を迫害することになる。

 ここで、一般市民の多くが、お役所のしていることは正しいという思い込みに基いて、間違っている報道を鵜呑みにしてしまう。これを上記の元裁判官たちが指摘していた。そして、一般市民もお役所は正しいという思い込みを棄てることが大事であると指摘していた。


 あと、判例時報でも専門家が首を傾げることがあるという点だが、前に新米のしょうもない某弁護士が、まさに若気の至りで、判例時報に解説を書いたと自慢していたので、こいつでも書けるのだから、これじゃ裁判官から首を傾げることがあると言われて当然のことだと納得したことがある。

 みんな「権威ある」ものは疑いましょう。こんなに御粗末なのだから。

 
 
 
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