「プチエンジェル事件」が報道サイトに出ていた。
2003年に小学校六年生ほ含む少女四人が赤坂のマンションで誘拐され、その犯人が所有する児童買春のビデオが大量に発見された。この犯人の男は後で自殺、この利益は35億円におよび、顧客名簿には政治家や裁判官の名前が数千名掲載されていて、これを警察は架空のものとして否定したうえ事件発生地を渋谷に変更し、単独犯行として捜査を打ち切った。取材していたフリーのルポ屋が不可解な死を遂げてもいる。
このため、顧客は本当で、だから犯人は殺害されたのではないかと疑われた。
その疑いのとおりなら、政治家や裁判官を匿っただけではないだろう。
そうして警察は政治家や裁判官を脅す材料にしているはずだ。前に取り上げた話題で、裁判官には警察が間違うわけがないという思い込みがあると批判する弁護士がいたけれど、いくら何でもそこまで非常識な裁判官はおらず、警察に弱みを握られているからだろう、と指摘した。
かつて東京高裁の裁判官が少女買春で逮捕された。
かなり積極的に漁色していたことも判明し、裁判では格下の地裁判事から「ロリコン」「スケベおやじ」と言われ、有罪となり失職しているが、もしも警察がらみの事件や政治的な事件を担当していたら、内緒にしてやるから言われたとおりの判決にするよう持ち掛けられ、当然のこと話に乗っただろう。
警察を告発した映画『ポチの告白』では、カメオ出演する宮崎学が裁判官に扮し、警察から電話で脅される挿話があった。風俗店に入り浸ったことや、十代の女性とホテルに行ったことを言われ、暗に裁判で警察の期待する判決にするよう求められる。この映画は事実をモデルに構成されたフィクションだから、元のネタは存在している。
「ご内密に」と言う裁判官を直接見たときは驚いた。
そういうことがあるだろうとは思っていても、直面した時は、ここまで露骨なのかと驚き、また呆れたものだ。
これは聖職者が未成年者に性的虐待をするのと構造が酷似している。禁欲生活や受験勉強ばかりで、成人してから悪いことをしてしまう。それを咎めるのが難しい。真面目で偉い人ということになっているから、悪いことをしたと認めないし、その周囲にいる者たちも庇い、時には悪いことしたと信じず、告発者を非難する。
この問題に対して、弁護士やジャーナリストが及び腰であることも、告発が表沙汰にならない一因である。