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​炬火 Die Fackel 

執筆者の写真井上靜

 島耕作のシリーズは荒唐無稽と言われてきた。

 同じ講談社から出ている『ナニワ金融道』の青木雄二も、島耕作がろくに残業せず仕事と昇進は順調というのが非現実的だと言っていた。

 あれはサラリーマンの夢物語だ、と漫画の批評で呉智英が言い、それにしても例えば島耕作が道を歩いていたら気分が悪くなった老人を見かけて介抱してやり感謝されるが、その老人とは次の取引先の会長だったので商談が円満に成立する、など、まるで少女漫画だと呆れていた。


 島耕作なんて噓八百。

 それが世間一般の認識だから、それで嘘を描いても大丈夫だと、講談社の担当者は考えていたのではないか。しかし内容からして大丈夫なわけがない。

 すでにテレビで同じ嘘を垂れ流してBPOが虚偽放送だと認定し、番組で名指しされた人が訴訟を起こし、虚偽放送で名誉毀損という判決になっている。

 それとも島耕作だから嘘でも良いと思ったのだろうか。



 東京スポーツは訴えられて堂々と嘘だと認めた。

 そして雇われた弁護士が法廷で、『東スポ』の記事を読んで真に受ける人は居ないから名誉毀損の損害は無い、と堂々と言ったから、原告も裁判官も啞然としたことがある。それでもあくまで損害が少ないということであり嘘は違法だと『東スポ』は敗訴している。

 なのに講談社は、甘く見ていたということか。


 確信犯という見方も出た。

 弘兼憲史は防衛省の広報に協力している。金をもらっているのは手前の方だったというお粗末である。それで金なんかもらっているはずが無い人たちをもらっているという嘘で貶めた。人間の屑とは弘兼憲史のことだ。

 雇った防衛省も、完成しない埋め立てで安全保障に役立たないどころか損害なのに、セメント業者らは儲かるという基地建設に邁進している。幹部自衛官で業者に天下りする人がいそうだ。国のためではなく自分だけ金にする為だ。

 まったく雇う方も雇われる方も「国賊」である。

 

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執筆者の写真井上靜

 大石あきこ議員が橋下徹もと知事に勝訴した件。

 このさい、同議員側の弁護士が会見で言った。兵庫県知事のパワハラが問題になっているが、もとは橋下徹府知事の時に、そのパワハラをマスメディアがきちんと報道しなかったから、どんどん酷くなってしまったという。

 まず橋下知事は、自分の立場をわきまえず勝手なことをして、それに唯々諾々と従わないなら辞職しろと言い放ってきた。そして迫害により健康を害した人までいる。

 これをマスメディアが、もっときちんと報じていたら、ここまでの悪化は無かったはずだ。



 これをある作家が紹介し、記者会見の録画を観て欲しいと言っていた。

 その言う通りで、首長になったら独裁者という橋下知事の感覚は異常と言ってよいだろう。一議員が、自分の考えと違うから他の議員に話を聴いてもらえと言うのとは違い、首長ともなれば色々な市民の声を聴く立場である。

 こんなことも解らない人が政治家をやっていて、それはマスメディアによるあからさまな嘘に支えられている。


 橋下知事は女子高生の陳情にも非常識で応じた。

 自分のすることに文句があるなら政治家になって変えるしかないとか、あまりの非常識に唖然とさせられた人ばかりであるが、あのとき女子高生は、こんな非常識な人が政治家なのかと情けなくて涙ぐみながらも、それは違いますと毅然としとして言っていた。

 それをマスメディアは、知事が甘ったれた女子高生を一喝し、女子高生は泣き出した、と報じた。

このように、マスメディアのあからさまな嘘に橋下知事は支えられていた。


 そして橋下もと知事はテレビに出て、とやかく言っている。

 そんなことより手前が国会議員になって変えるしかないはずだ。そうでないと彼の言ってきたことと整合性が無い。もともとテレビとは非常識を非常識でないように見せかけるように利用されてきたメディアだから、非常識な人ばかり出すのは当たり前である。

 それでも、テレビばかり見ていたとしても矛盾には気づける。気づけない人もいるが、気づいていても弱い者いじめの好きな人によっては橋下式が楽しいのだろう。それによっても彼は支えられている。

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執筆者の写真井上靜

更新日:10月28日

 大阪の老舗家電会社「船井電機」が倒産。

 東京地方裁判所で手続きが行われていることから判ったと報じられていた。テレビとビデオが主な商品で、家電量販店で各メーカーの商品が並ぶ中ひときわ安さが目立つテレビとビデオが「フナイ」のブランドだった。

 この売り場の風景を憶えている人も少なくないだろう。


 あれは90年代の後半のことだった。

 店の売り場で商品を見ていたら、若い男女が来て、どれにしようかという様子だった。そこで女性が「これは安いね」と言ったら、男性が「フナイは嫌だよ」と否定した。安いけれど性能も劣るという意味だけではないみたいだった。

 今の「ジェネリック家電」のように、別の分野の会社が家電に手を出して、必要不可欠ではない機能を省き安さで売るというのとフナイは違っていた。



 量販店員は言っていた。

 前に店で話したとき、フナイのテレビとビデオは機能を省いて安くしているのとは違い技術的に劣っている「安かろう悪かろう」だと説明された。もちろん、そのうち力をつけて向上する可能性はあるけれど、今は先が解らないとのことだった。

 それからしばらくして、フナイりのビデオを買ってみた。安いし、前に比べて見た目も洗練された感じになっていた。しかし使っていて性能の御粗末さを感じ、それでも堅実に動き続けるならともかく、簡単に壊れてしまった。保証期間内の初期不良ではなく、故障というより壊れたというべき崩壊であった。

 

 まだ船井電機は存続していたのか。

 というのが倒産の報に対する正直な感想である。最近では前に比して店でフナイ商品を見かけなくなっていたからだ。存続していても、その間に向上はできなかったということだろう。技術でも経営でも。

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