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船井電機が倒産

  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2024年10月28日
  • 読了時間: 2分

更新日:2024年10月28日

 大阪の老舗家電会社「船井電機」が倒産。

 東京地方裁判所で手続きが行われていることから判ったと報じられていた。テレビとビデオが主な商品で、家電量販店で各メーカーの商品が並ぶ中ひときわ安さが目立つテレビとビデオが「フナイ」のブランドだった。

 この売り場の風景を憶えている人も少なくないだろう。


 あれは90年代の後半のことだった。

 店の売り場で商品を見ていたら、若い男女が来て、どれにしようかという様子だった。そこで女性が「これは安いね」と言ったら、男性が「フナイは嫌だよ」と否定した。安いけれど性能も劣るという意味だけではないみたいだった。

 今の「ジェネリック家電」のように、別の分野の会社が家電に手を出して、必要不可欠ではない機能を省き安さで売るというのとフナイは違っていた。


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 量販店員は言っていた。

 前に店で話したとき、フナイのテレビとビデオは機能を省いて安くしているのとは違い技術的に劣っている「安かろう悪かろう」だと説明された。もちろん、そのうち力をつけて向上する可能性はあるけれど、今は先が解らないとのことだった。

 それからしばらくして、フナイりのビデオを買ってみた。安いし、前に比べて見た目も洗練された感じになっていた。しかし使っていて性能の御粗末さを感じ、それでも堅実に動き続けるならともかく、簡単に壊れてしまった。保証期間内の初期不良ではなく、故障というより壊れたというべき崩壊であった。

 

 まだ船井電機は存続していたのか。

 というのが倒産の報に対する正直な感想である。最近では前に比して店でフナイ商品を見かけなくなっていたからだ。存続していても、その間に向上はできなかったということだろう。技術でも経営でも。

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