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外国人が土地を買ったと騒ぐ奇妙な感覚

  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 7月30日
  • 読了時間: 3分

 外国人が日本の土地を買っている。

 だから何だという話なのに、たいへんなことだと大袈裟に騒いでいる人達がいる。外国人が購入したら、そこが外国の領土になると思い込んでいるらしい。

 あの星新一が『マイ国家』という小説を書いていた。自宅を自分の所有地だから「マイ国」という独立国だと言って、訪ねてきたセールスマンを密入国だと言う話だった。そんなユーモアSF小説のような発想をしている人たちがいるわけだ。


 もちろん外国人が所有していても日本の領土である。

 なにより、その所有権を保障しているのは日本国である。だから建物だって建築基準法に従うなど、日本の法律が適応される。こういう基本が解ってない人が、それ相当にいるということだ。

 それと違うのは米軍基地だ。日本の法律など通用しない。そういうことを、外国人が金を払って合法的に購入することすら危惧しながら言わないのはなぜか。この調子では、中国など他の外国が軍事力で占領して勝手なことをやっても、文句を言わないだろう。相手が強くて怖いと沈黙する。


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 長渕剛の愛国ゴッコも、よく恥ずかしくないものだ。

 コンサートで土地を売るなと呼びかけて、客席から日の丸を振って応じる人たちがいる。これに右翼団体は「なんと薄っぺらい愛国か」と呆れ、左翼系の人達は「経済を知らないから、売るなと言っても日本の円が弱くなってしまったから外国人にとって買いやすくなっている現実が解らないのだ」と嘲笑している。

 あれはあくまでゴッコである。本気で心配しているなら、環境保護運動のナショナルトラスト運動みたいに、みんなで金を出し合って外国人に買われる前に買ってしまうように呼びかけるものだ。環境保護のナショナルトラスト運動は、このブログでも参加している登録証を画像で載せて示したことがあるけれど、こういう具体性のある行動を自称愛国者はやらない。


 住むために不動産を入手するのは当たり前のことだ。

 ただし住みもしない不動産を購入することがあり、だから外国人も購入している。これは投機が目的だからだ。この場合は税金を高くする。これは日本人でも外国人でも同じである。しっかり課税すればよい。ところが、規制しろと言う人たちが一部にいる。外国資本が入ってこなくなれば日本の経済にとって打撃である。環境破壊が心配ならもっと法律を厳しくすべきだけど、排外主義を煽っているだけの人たちには関心がない。だいたい、ことさら美しい日本と言う人たちは、環境破壊に無頓着で、大企業の横暴に怒ったりしない。

 だから自称愛国者の日本人優先主義(なぜか外来語で「ファースト」と言っている)人たちは、ウケけ狙いまたはマスターベーションで心にもないことを言っているだけなのだ。

 

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