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​炬火 Die Fackel 

執筆者の写真井上靜

 映画評論家の白井佳夫が死去した。

 この人と、映画評論家の山田和夫とは犬猿の仲だった。例えば『橋のない川』の映画化で、今井正監督が続編の脚本をめぐり部落解放同盟の一派と対立したのち、別の監督によってリメイクされたものが、ふるっているとは言い難いのに白井佳夫が褒めていたので、山田和夫は白井佳夫の態度を批判していた。

 つまり党派対立である。




 山田和夫は共産党員であった。

 それで、共産党員の山本薩男監督と今井正監督の作品は無条件で褒め称えるような批評をしていた。また、部落解放同盟の浅田善之助が中心の浅田派は、最初、浅田善之助が共産党員だったけれど部落解放運動の中で路線対立して離党したのち、脚本を書いているのが共産党員だから悪いと非難し、今井正監督から、自分は共産党員だが脚本家は共産党員ではない、と言われて途端に、監督が悪いと言って非難の矛先を変えた。

 これだから映画の内容とは関係なく、滑稽であった。


 原作者の住井すゑは指摘されていた。

 浅田善之助は共産党に恨み骨髄だから、共産党と関係があれば片っ端から攻撃している。なんてことはない、共産党が憎いだけ。それも自分個人の昔の恨みから。

 この一連の揉め事について、解放同盟浅田派を山田和夫は厳しく批判していた。そして、ふるっていないリメイク版を白井佳夫は党派対立の都合で褒めそやしていたから、評論家としての姿勢が問題だと言っていた。


 並木鏡太郎監督の甥が山田和夫という。

 しかし同姓同名の別人である。そうとは知らず「並木鏡太郎監督の甥の映画評論家」と言ったら、並木鏡太郎監督の助監督を二回務めた山際永三監督から、そんな人は居ないと言われ、山田和夫は甥ではないかと訊いたら、同姓同名の別人と指摘された。

 そして山田和夫に『前衛』誌上で「トロツキスト山際永三」と書かれたので、山際永三監督は怒っていた。

 こういう党派対立が、映画批評にもあるということだ。

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 自衛隊も含めた防衛省の傘下では食事が出る。

 そこで飯は古米を使っているそうで、新米の季節には古米でなく新米を食べさせてあげるべきだと言う人もいる。

 もちろん、味の解らない人もいるから、喜ばない人もいるだろうけれど、解る人だっている。これは出身者によるだろう。


 東北の親戚が高級ブランド米を作ってその新米を分けてくれた。

 それを、知人らにおすそ分けしたところ、そのうち二人は、研いださいの香りから違うと言っても、サッパリ解らなかったそうで、食べて味の違いも全然解らないと言い、もう一人は水加減を間違えて台無しにしたと笑いながら言い、どちらも口をそろえて美味しい米なんて迷惑だと言った。社交辞令で「ごちそうさまでした」の一言も言えない人であろうことは解っていたが、ここまで酷いとは思わなかった。

 この二人は生粋の埼玉県民だから、東北の米どころから新米と言われてもチンプンカンプンだったようで、この調子だから「埼玉県民にはその辺の草でも食わせておけ」と漫画が原作の映画で言われるのだろう。

 閑話休題。



 さて、自衛隊の食事のことである。

 かつて、食品汚染の騒動がある度に、風評被害で売れ残った食材について、自民党にいた当時の鈴木宗男議員が「自衛隊に」と言っていた。

 あくまで風評被害だから食べても大丈夫ということであったとしても、売れ残りは直ちに自衛隊の食事というのでは、あまりにも自衛隊員たちに失礼だと思った。このような発想をしているから、古米を食べさせることになるのだろう。


 あの森鷗外が軍医だった時。

 脚気の防止に麦飯という当たり前のことに対して、良かれと思って、白米を食べさせてやれと言って良くない結果ということがあったけれど、それと古米か新米かの話は事情が異なる。

 おそらく、埼玉県出身の隊員たちで相当の割合の人数は解らないだろうが、東北など米どころの出身者は古米ではなく新米だと喜ぶはずだ。東北の親戚も、例えば修学旅行で行った先の食事に「ご飯が不味すぎる」と皆が言ったそうだから。  

 

 

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執筆者の写真井上靜

 島耕作のデマ工作で講談社に抗議。

 10月21日の午後6時30分から7時30分までのこと。文京区の護国寺駅前。

 『ニュース女子』というテレビ番組のデマでBPOでも虚偽放送と認定され、訴訟でも敗訴したというのに、同じことを漫画でまき散らす最大手の出版社。







 この抗議行動を、すぐ近くの警察署から来た警官も見に来て、通行人が来ると交通整理をしていた。


 抗議の様子を伺う講談社の人たち。

 自分らが夜遅くまで仕事しているのだから、島耕作がろくに残業もせず取引も昇進も順調という荒唐無稽さには気づいていたはず。

 それでいて今度は権力の横暴に抗議する市民を、権力と癒着して利益にしている大企業の側から嘘で中傷誹謗した島耕作。

 おそらく作者の弘兼憲史は、権勢に媚びて弱者を貶める嘘なら大丈夫だと思っていたのだう。それで抗議を受けたら謝罪した。





 昔のことで、ある同級生が言った。

 弘兼憲史は新進党あたりから選挙に立候補しそうな奴。政治に俄かな関心だけで勉強せず無知なまま一家言を持ってるふりして、権勢に媚びているだけなのに保守ながらも改革者だと気取って見せている、という態度。描く漫画を読んでも他の発言でも。

 まあ当たっている。


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