上丸洋一氏が読売新聞を批判していた。
枝野幸男議員について、朝日新聞と毎日新聞は「リベラル系」としているのに対して、読売新聞は「左派」としている。それでいて、高市早苗議員のことは「右派」ではなく「保守系」としている。これは不公正であり印象操作の偏向報道ではないか、というわけだ。
まあ、なんとなく一貫性に欠けるような記述ではある。しかし「リベラル」と「左派」はイコールではないし、「保守」と「右派」もイコールではないから、これらの言葉について読売新聞がどのような認識なのか不明である以上、間違いとも不公正とも断定はできない。
また、朝日新聞と毎日新聞の記述の方こそ不適切である。
そもそも枝野幸男議員は「左派」でないことはもちろん、「リベラル系」でもない。昔から枝野幸男議員は、その政治的な立ち位置を客観的に見れば「右派」である。前にここで、知り合いの元地方議員で社民党の所属だった女性が、現職だった当時、枝野幸男議員は右に寄りすぎていると言って否定的だった話を紹介したうえで、それは具体的な発言から的確な評価であった、という話題を取り上げた。読んで憶えている人もいるはずだ。
ただし、高市早苗議員は違う。
高市早苗議員は「保守系」でも「右派」でもなく「極右」である。
だから、枝野幸男議員は「右派」なのに対し高市早苗議員は「極右」である。なのに、社民党や共産党など本当の「左派」を無視するから、相対的に、枝野幸男議員のような「右派」が「左派」や「リベラル系」になり、高市早苗議員のような「極右」が「右派」や「保守系」になってしまう。
つまり、読売新聞だけでなく朝日新聞と毎日新聞も印象操作の偏向報道をしている。
上丸洋一氏は朝日新聞の記者だった。
この人に限らず、朝日新聞の記者だった人は、もともと新聞が全体的に権力にすり寄っている中で朝日新聞は読売新聞より少しはマシという発想で語る。それでも、事実として朝日新聞が読売新聞よりほんの少しは権力と距離をおいているならともかく、そんなことはこれっぽちもない。だからその間隙をついて東京新聞が隙間産業的に権力に盾突いたかのような姿勢を見せて売りにしているのだ。
そういう視点を持ち得ないのが、新聞社仕えをしていた人の致命的な欠点である。