自衛隊に入るなと子供に言う教師に親たちは感謝した
- 井上靜

- 2 時間前
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『野生の証明』という78年公開の映画があった。
この一場面で、自衛隊員がよく行く八戸駐屯地近くのバーのホステスが「(高倉健の主人公)辞めちゃったの」と言い、マスター(田中邦衛)は「今、自衛隊やめるなんてバカだな。衣食住タダで給料もらえて、戦争ないから死なないのに」と言うけど、「戦争で死なない」が怪しくなったから隊員が集まらない。
これは政権与党の対米隷属のためであることは、言うまでもない。

よく「左がかった教師」が生徒・児童に対して言うことがあった。
「自衛隊に入るのは、お薦めできない」という趣旨である。これはテレビの人気学園ドラマ『金八先生』にも描かれたことだ。
これに右寄りの人達が非難することばかり目立つが、子供と親は、先生が権力から守ってくれてると感謝していた。貧困な家庭が狙われる現実をわかっていたから。そして特に貧困家庭はそうだけれど、子供はもちろん大人でも親だって貧困家庭ほど無知蒙昧だ。これに比べると教師は一応インテリで理論武装してるから、その考えに全面的に賛同はしてないし、そもそも理解できない、ということがむしろ多いものの、それでもいちおう心強かった。
ただし、「自衛隊は憲法違反だ」と言うだけで何もしない教師も、よくいた。
古賀千景議員の国会質問の趣旨は、曲解されて誹謗されている。
あのとき彼女は、かつて教師をしていた時、経済的な事情から公務員になれればと自衛隊に入った教え子たちの話を体験から話した。
これは知らない人もいるが、警察や消防も業務で危険があるけれど自分の命と引き換えにしてまで遂行する義務はない。ところが自衛隊は命に換えても遂行する「賭命義務」があり、宣誓させられる。なので避ける人がいるが、それでも公務員になれるならばと入る人もいて、そこに貧困な人がいるようになるのは必然である。そんな人たちは「家庭が豊かなら自衛隊とかなりません」と言った。あの場面では明らかに、自分が直接知る人たちについて他に選択肢が無かったという意味だった。言葉尻を捕らえる非難がされているけれど。
そして自衛隊に入ったら待遇とかパワハラとか色々とあって、これて苦しんでいる人がいると言ったのだ。

それを4代目の苦労知らず世襲議員の防衛大臣は理解できなかったのだ。
なんてことない自分がセレブの出だから、貧困な人は悪いことだと思っているのだ。彼の父親の小泉純一郎が、そういう貧富の格差を正義だという政策を、政商 竹中平蔵の発想に基づいて実施していたのを引き継いでいるのだから当たり前だ。
それで、自衛隊に貧困家庭の出だから入った人がいる話をされたら「大臣として黙ってられない」と言って、生活保護をたたきと同じで貧困は悪と見下してることを露呈させた。自衛隊で虐め自殺があっても、沖縄で女性が米兵に性暴力受けても、大臣として黙っていられたのに。
こんな小泉進次郎に便乗して、セレブとまで言えるかは疑問だがそこそこ富裕で少なくとも貧困家庭ではない人たちの子供たちで自衛隊に入る人がいると言うことにより「うちが貧乏で自衛隊に入った人たちなんかと一緒にするな」と実質的に言う人たちまでいる。
しかも、可笑しいことに早速、電光石火でWikipediaの古賀議員の項目に「差別発言」と書き加えるネット工作がなされていた。こんなこと公益性を鑑みて外国ではやらないが、日本では横行している。さすが中傷動画によって出来た内閣下である。
安倍晋三元首相を殺したのは元自衛官である。
この犯人は自衛隊で射撃の訓練をした経験があるそうだ。安倍は国会で、自衛官の子供が教師から親を人殺しと侮辱されたという出所不明の話をして教職員組合を誹謗したが、そしたら元自衛官に射殺されたのだから皮肉である。
あの元自衛官も、うちが貧乏だったから自衛隊に入った。うちが貧乏になった原因が統一教会であった。また自民党から国会議員になった元自衛官の佐藤正久も、彼の親戚が統一教会にのめり込んで財産を使い切ったため防衛大に行かざるを得なくなった。しかも佐藤正久本人も親戚も統一教会と関わりを持っている。
つまり、酷い目に遭わされて復讐する人もいたが、酷い目に遭わせた側に擦り寄って出世しようとする人もいるということだ。その意味では興味深いことだ。
なぜ、それほどまでに自衛隊を尊い志のある人たちに祭り上げたがるのか。
それは自分たちとは全く関係ない地方の貧しい出の若者たちに国防を押し付けているという事実を認めたくないからだろう。その後ろめたさから逃れるためには、「生活のためにこき使われる労働者」では都合が悪い。「高潔な志を持つ感謝すべき英雄」に祭り上げることで美化してこそ、政治家は罪悪感を消し去ることができる。
また、自衛隊の処遇改善や地方格差の是正をするのは大変だが、高い志を持った聖職者のようにしておけば、「感謝と敬意の言葉」ですむから、気持ちだけで安上りどころかタダであり、格差の問題は放置しておける。
つまり、古賀千景議員がしでかした一番の罪は、この国で威張っている人たちが意識したくない事実を指摘したことなのだ。



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