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  • 執筆者の写真井上靜

歯磨き粉と報道と資本主義の問題

 知覚過敏の対策になる歯磨き粉がある。

 そのうちもっとも有名なもので歯周病の対策にもなるという種類は、鮮やかなピンク色をしていて、それは合成着色料を使っているからだ。

 そもそも効能に色付けなど無関係であるし、飲食物ではないけれど口腔内に使用するものである。粘膜は皮膚より吸収しやすいのだから、そんな色付けなんてやめて欲しいものだ。 

 他にもラウレル硫酸ナトリウムなど避けたいという人がいて、そんな人たち向けの歯磨き粉も売られている。


 効能にも歯科医が疑義を呈している。

 どんな歯磨き粉も、着色料や香料などで清潔になったと錯覚させるから、そのため磨き残しに気づかないでいて、却って不潔になっている。歯ブラシと歯間ブラシで丁寧に汚れを落としたほうが歯の健康によいというのが、昔から大方の歯科医の見解である。

 実際に、どれもあまり効いた感じがせず、どんな歯科医も「気休めだ」とか「良いと思うなら使えば」とか言う。

 宣伝されているほど効果があれば最高であるが、そんなこと無いから宣伝するのだ。



 それを、宣伝が最良の情報だと言っていたのが久米宏である。

 そして、その効能の怪しい歯磨き粉にしても、例えば北朝鮮から亡命した芸能人が歯磨き粉の宣伝に出演して「北では我慢するしかなかったけれど、南にはこれかあります」と言う、笑ってしまうCМを久米宏の番組が流して、資本主義は素晴らしいと言っていた。資本主義じゃないから効果の怪しげな商品を派手な宣伝して売ってないだけなのに。

 そうしながら、自民党が腐敗堕落しているからと野党に投票しては駄目で、自民の亜流党を作って政権交代なら、まあいいだろうという宣伝を番組ぐるみでやっていた。

 

 この怪しい商品を買う人たちと、それを売る企業がスポンサーになっている似非報道番組を真に受ける人たち、という政治経済の図式があるのだ。

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