top of page

朝日新聞の戦争翼賛報道と部数半減の相関

  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2022年11月3日
  • 読了時間: 3分

 ウクライナ情勢の報道で、キエフ大本営(前に諜報機関の話を取り上げた欧州のサイトをここで紹介した)の発表を垂れ流しているだけの朝日新聞が批判されていた。

 まさに報道の陳腐化を象徴する記事であった。ドンバスの戦場で定点観測取材を継続している記者たちの事実に食い込んだ報告とは対極にあるという批判だった。戦争を推進する側にいる者の発表した原稿そのまま優等生ぶって上から目線の感じ悪さで、これに辟易した読者は多いはず、ということだ。


 ただ、NATO軍記者クラブの垂れ流し受け売りは昔からであった。

 よく言われるとおり、国内でも記者クラブ依存と追従で警察の発表を垂れ流し冤罪など人権侵害して無反省だと批判される日本のマスコミが、もっと規制が厳しい国際問題では自由に取材してコントロールされずに報道するなんて奇跡が起こりえるだろうか。

 この疑問というより皮肉について、日本のマスコミでは無理だと言われる。だいたい発表原稿を記事にするだけで楽をし過ぎたのが癖になっているからだ。海外の独立記者は、専門知識、海外の専門家への取材、特殊言語、ファクトチェック能力、現地事情に精通したガイドが、国際情勢とくに戦場の取材では必要不可欠であると認識していて、一人で全ての要件が揃わなければチームを組むものだ。


 ところが日本人の独立記者たちは、前に取り上げたとおり、観光とか物見遊山の感覚でアリバイ工作のように背景を意識した記念撮影のうえで垂れ流し記事を発表し、御用と化している大手メディアに売るだけ。

 これは前に言って来た人がいたけど、あの志葉玲というフリー「ジャーナリスト」も同じで、戦争の翼賛報道を大手メディアに売って日銭を稼いでいて無様というか惨めというかだが、ほんとうはベトナム戦争報道でのTBSの田英夫や朝日新聞の本多勝一みたいにしたかったのだが、その夢破れたということだ。


 かつてイラク・リビア・シリアの戦争で、欧州の若い女性の独立記者が戦場を命がけで取材してNATOの蛮行を告発したのに、中東が専門と自称する朝日新聞のベテラン男性記者は、オレサマ現地に行った(志葉玲も同じ。こういうのを筑紫哲也は『悪しき現場主義』と名付けた)と言い張って、そのうえで、そんな人に会わなかったと意固地で、なんてことはない記者クラブ垂れ流しを自白したのだ。ちょうどその時期から今までに朝日新聞は見事に部数半減。当たり前だろう。

 あのスピルバーグ監督の映画『ペンタゴンペーパー』で、ワシントンポストのライバルであるニューヨークタイムズは、その当時ベトナム戦争報道でニールシーハン記者がリードして注目を集めていたことが描かれていたけど、すっかり今は凋落である。この映画のスタッフで東欧から来た人が言っていた。自由を求めてアメリカに来たけれど、アメリカから自由がなくなっていることを危惧していると。

 そして朝日新聞もベトナム戦争報道といえば本多勝一記者の活躍があったけれど過去の話である。紙媒体の衰退ではなく気骨ある記者がいなくなったから売れないだけ。いたら買うだろう。


 こういう問題は、今になってウクライナ情勢がらみで言い出したのではなく、もう何年も前から拙書『朝日新聞の逆襲』(第三書館)で取り上げていたことだ。

 当時は理解してもらえなかった部分が多く、批判も的外れというかデタラメの他出版社(そのご倒産)の宣伝だったが。




コメント


  • twitter

©2020 by 井上靜。Wix.com で作成されました。

bottom of page