朝日新聞が扇動したテロリズムとして共通する風流夢譚事件と風俗嬢殺害事件
- 井上靜

- 2021年6月8日
- 読了時間: 2分
更新日:2021年6月23日
朝日新聞が風俗営業の撲滅を主張した日、一人の少年が風俗嬢を殺害する事件が起きた。
今、新型肺炎による生活困窮者が発生し、その支援について日本の遅れと政府の責任が問われ、内閣支持率も低下の一方である。ここで政府は、風俗営業に携わる人たちに関して、不道徳で反社会的な業種だから助けることは無いという方針のようである。
これに対して様々な意見があるけれど、朝日新聞の場合は風俗撲滅の主張を掲載した。その日、一人の少年が風俗嬢を殺害したということだ。
ただし少年は朝日新聞に扇動されたかとなると、果たして読んで考えたうえでの行動なのかと疑問である。
だから偶然かもしれない。朝日新聞を非難している風俗関係者も、たまたま同じ日だっただけの可能性を否定していなかった。だが、そのような事件が起きかねない社会の雰囲気を作ることに朝日新聞が手を貸したとは言い得るのではないかと指摘していた。なぜなら、朝日新聞は昔から風俗営業を目の敵のようにしてきたから。
朝日新聞には似たような事件を挑発した前科がある。
それは1960年のことだった。作家の深沢七郎が、もしも日本に革命が起きたら、という小説の中で、皇族が次々と斬首で殺害される場面を書いたところ、これに宮内庁が怒り、発行元の出版社は恐怖の描写だと説明したが、朝日新聞の一面コラム『天声人語』は、フィクションだからと許されないという徹底的な非難をした。
そして右翼の少年が、発行元の中央公論社の社長を殺害しようと刃物を持って同社の嶋中社長宅に侵入し、社長夫人に負傷させ家政婦を殺害した。「嶋中宅事件」または小説の題名から「風流夢譚事件」と呼ばれている。

この右翼少年が、天声人語を、あるいは朝日新聞を、おそらく一切の新聞を、読んでいたとは考えられなかった。だが、このような事件を起こしても悪いのは出版社だということになりそうな雰囲気だったから、自信をもって凶行に及んだのだ。この雰囲気を宮内庁と朝日新聞が醸造したのだ。そして実際に、暴力の被害者である出版社の方が謝罪に追い込まれた。
それで井出孫六など当時の進歩的な論客たちが、宮内庁と天声人語と右翼の三位一体が勝利したと、皮肉としてではなく非常に由々しきものだとして批判したのだ。
このように、朝日新聞が宮内庁や内閣に合わせて雰囲気づくりして、そこで扇動されたような少年がテロリズムに及んで殺人事件を起こした、ということで風俗嬢殺害事件は風流夢譚事件と見事に共通しているのである。



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