top of page
  • 執筆者の写真井上靜

図書館で受験勉強する高校生を見て思い出すこと

 図書館で勉強している高校生を見たが熱心そうだった。

 と、言っている人がいたので思い出した。高校三年生の時のことを。あの時、学校の近くにある図書館に行ったら、勉強している人たちが大勢いた。

 なんで図書館に行ったのかというと、同じ組の人が図書館に行けば勉強する場所があると言って誘ったからだ。しかし、勉強するためではなかった。何か他のことをするためだった。何の作業かは忘れてしまった。あまり気が進まないけれど付き合わされた、という感じだった。


 そして行ったら受験勉強している人たちばかり。

 そんなところで別のことをするなんて、雰囲気からして到底できないことだった。彼は、当てが外れたということで「ごめんね」と言った。これは、こちらが苛立った様子なので、謝ったようだった。

 しかし、苛立ったのは事実だけど、そのわけが違った。こちらも高3だから受験勉強して当然だった。それなのに、変なことに付き合わされて、図書館に行ったら受験勉強している人たちでいっぱい。それを見たので、これでは誰でも苛立って当然だろう。


 なんで、受験勉強の時期に、受験と無縁な人に付き合わされるのか。

 この男は、前にも話題に出した落第生だった。高校に間違って入ったものの勉強に全くついていけず赤点をたくさん取って留年となった。原因は発育障害だった。それで当人は退学して働くと言ったが、親から「頼むから高校だけは出てくれ」と懇願されたという、よくある話であった。

 そして、高三の末期には、なんとか単位を取れるくらいになって、卒業できた。しかし、それが精一杯だから、卒業後はフリーターになって、まず普通自動車免許を取得し、しばらくしてから職に就こうということだった。

 それは、それでいい。しかし受験する者が付き合わされてはたまらない。


 ところが一年生と二年生で同じ担任の教師に、世話を押し付けられたのだ。

 そして嫌なのに三年間同じ組にされてしまったのだ。そして何かと脚を引っ張られて大迷惑であった、これは担任の教師が出来損ないの落第生をなんとかしようとしてのことだったが、その世話を押し付けるとはひどすぎる。これでは一緒に受験する人と勉強することができない。

 しかし、先日の話題の通り、親が面談で滑稽なことを言ったため、駄目な親だから抗議されないと舐めた態度に教師は出た。実際に、担任の教師がうちの親から文句を言われることは無かった。

 それで、家出して親戚のところに身を寄せて受験と進学したのだった。


 こんなことを、図書館で受験勉強している高校生の話から、また思い出したのだった。




閲覧数:16回0件のコメント

関連記事

すべて表示
bottom of page