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参政党と同じ水準の久米宏と更に酷いNHK

  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 9月15日
  • 読了時間: 3分

更新日:9月17日

 参政党の神谷代表が演説のなかで「秋田美人」に言及した。

 そこで、肌が色白であることは異人種との混血のためだと言った。これは昔から言われていることだ。生前の黒澤明が、あの時代の日本人としては大柄で180センチを超える身長であることについて、親戚には青い眼の人もいたと言っていたことがある。黒澤とは秋田県に多い姓である。

 うちの親も秋田県の出身者で、その同郷の同級生に黒澤という人がいるが、秋田県に黒澤という姓の人が多い地域がある。黒澤明監督の映画『生きものの記録』には、主人公の故郷が「秋田県仙北郡」であるという場面があった。ここは、うちの母親の出身地である。そこへ冠婚葬祭で行くと、色白の他に赤毛などなど日本人ばなれした容姿の人はざらにいる。稚内には時々ロシアの漁船が停泊して乗組員が買い物をするからスーパーマーケットにキリル文字の表示があるけれど、そこへ行った時に自分は顔と身長のために間違えられたことがある。

 

 秋田県は男鹿半島が大陸の方へせり出している。

 そこで大陸から渡来した人がいて、交流や混血があったのだろうと言う人もいた。鬼は身体的特徴から日本に来た白人のことであるという説があるけれど、男鹿のなまはげも鬼みたいなので同じだろうと言われている。

 しかし、交流が他の地域よりは多かったとしても、地域に住む人の全体的に身体的特徴へと反映することは考えにくいし、外見の特徴の原因はまったく解かっていない。昔から日本人が「謎の民族」と言われてきたのは、複数の人種が混ざっているらしいけれど、どの人種なのか不明な身体的特徴が見受けられるからである。

 ということで、参政党の神谷代表が言ったことは、かなりいい加減である。


 そこで神谷代表は「白系ロシア」と言った。

 これは革命を逃れて外国に出たロシア人のことである。革命軍を「赤軍」と呼び、革命側が暴力に訴えるのを「赤色テロ」、大勢側が暴力に訴えると「白色テロ」と呼ぶのと同じ語源である。

 それを神谷代表は肌が色白な人種という意味で言った。これが「秋田美人」に影響したと言う。そうとしか解釈できない文脈だった。だから無茶苦茶であると批判され、また嘲笑されてもいた。

 これと同じ無知をかつてテレビで曝したのが久米宏であった。テレビ朝日の『ニュースステーション』で、モスクワと中継のさい「赤の広場」が映ると「ソ連が崩壊しても赤の広場というのか」とボケをかましてしまい「ロシアでは美しいという意味で赤いというのだ」と指摘されていた。


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 もっとひどいのがNHK。

 これはDVDにもなっている。ロシア革命に反対する白系ロシア人が、ナチスと結託して裏切られたことがあるけれど、これについてNHKは、進駐するドイツ軍の兵士たちへ地元の女性が花を送っている映像に、共産主義の抑圧から解放してもらったことを感謝しているというナレーションの説明を入れていた。

 この映像はナチスのプロパガンダ映画のヤラセ場面であり、元の映画は、こうして地元の歓迎を受けたうえで、そこに潜むユダヤ人たちを狩って一掃してやったぞ、というものだった。そこから部分的に抜粋してナチスが感謝と歓迎をされていたという番組にしていた。

 つまり久米宏は参政党の神谷代表と同じ無知だったが、その後なんとNHKはナチスのプロパガンダを利用して故意に虚偽の放送をしていたのだ。こうしてみると、参政党の神谷代表ばかりを笑ったり批判したりしていては甘いというべきだ。

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