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共同親権で死人が出る

  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2024年5月21日
  • 読了時間: 3分

更新日:2024年5月21日

 日本では百年早いと言われる共同親権。

 米国でも、DVで離婚した妻が、夫は妻に対してだけでなく子供も虐待していたと反対したのに、裁判所が夫の訴えを認めてしまい、この結果、子供が父親に殺害された事件があって大騒ぎになった。

 これが日本では、壮絶な殴る蹴るや凶器まで用いてのことに裁判所が「その程度では家庭内暴力のうちに入らない」という冷酷無残な認定をしているのが実態であり、これまで裁判官が「殴るのは理由があるからだ。私だって妻を殴っている」と法廷で堂々と言うなどしてきたが、一時は改善の兆しがあったけれど最近はまた逆流していて、もちろん政治的な流れの影響であるから、それで共同親権の法案が出てきたということである。


 小泉法務大臣の発言も酷すぎる。

 国会で「やっと夫の暴力から逃れられ子供も安心なのに、そこで共同親権なんてことになったら、その夫のことだから絶対に申請してくるはずで、恐怖に怯えている」という訴えがあることを質問されると、そういう事情を「真剣に」訴えれば「裁判所は解ってくれるはずだ」という、もう法律の水準でないことを法務大臣が国会で言っていた。

 もちろん裁判だから、相手方の言い分も聴くので、夫は内心では「またぶん殴ってやるぜ」とか「今度こそぶっ殺すぞ」とか思っていても上辺では「真剣に」暴力なんてふるってないと言うに決まっている。そして何年も経過していれば過去についての証拠を出すのは難しいから、暴力男の言い分は通るし、明確な証拠があっても裁判官が無視することは日常茶飯事である。

 しかし小泉法務大臣だって解っているはずだ。解っていて惚けているのが国会を見れば明らかな態度だった。



 これは早まったというより、家父長制を復活させる悪意だ。

 もともと日本の保守派は、亭主の暴力は無条件に絶対の正義であり、男から女その他の立場が上の方から下へのセクハラは愛情であり、上司や教師の体罰は正義と愛情の両方である。そういう価値観を持った人たちに自民党は支持されている。

 こうした価値観は宗教団体によって維持されている部分が大きい。だから、その組織的支持が欲しいので自民党は合わせているという部分もある。


 これで死人が続出するだろう。

 しかし、ただでさえ女性や子供が殺されても隠蔽されるのに、大反対された法律のためだと、なおさらである。

 そして復讐する人も出る。親と宗教団体がらみで安倍晋三が殺害されたように、共同親権で親からひどい目にあわされ進学もできなかったという恨みから、共同親権を成立させた政治家たちが被害者から殺される形の死者も出る可能性がある。こんな制度を作れば当たり前である。

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