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  • 執筆者の写真井上靜

他所の子の病気を悪口にする親

 歯の嚙み合わせを調整したことで思い出した。

 かつて顎関節症で困っていたが、複数の大学病院の口腔外科で治せなかったけれど、近所の歯科医がアッサリ治してくれた。原因と対処が、なかなか気がつかないことだけれど、気がつけば「なーんだ」という「コロンブスの卵」だった。だから大病院信仰は間違いだ。これは言われるようになって久しいことだ。


 それで深刻に悩んでいた当時、侮辱した人がいた。

 かつて顎関節症で困っていたさい、それが原因で話し方に癖があったのだが、これを同じ高校の同じ学年の男の父親が、侮辱していたのだ。

 もちろん、顎関節症で困っていることは知らないでのことだったろう。だが、それにしても、変な話し方だと思ったり、何か病気や障害があるのかと思ったり、そういう人ならいくらでもいたはずだけど、それを侮辱した人は他に居なかった。内心で何か悪く思っていた人ならいたかもしれないが、口に出して言ったのは彼の父親だけだった。


 そんな非常識な父親だから、息子も駄目な奴なんだと、よく指摘された。

 「だいたい、本当の友達なら、自分の友達を侮辱されれば怒って親に抗議するはずだ。友達でなくても、同級生に失礼なことをしないで欲しいくらいのことは、普通の常識を持つ人なら言うもの。なのに、親が悪口を言っていたことを面と向かって言い笑うのだから、その親にしてその子ありだ。病気で悩んでいたから症状にばかり気を取られていたのだろうけれど、これを機に絶交するべきだ」

 たしかに、とてもじゃないが良い友達とか本当の友達とか言える誠実さのある人ではなかった。



 それについて、担任教師は、細かいことを言わずに仲良くしろと言った。

 しかし、学校以外で色々な人に訊くと、これは健康や身体にかかわることだから、細かいことではないと言う。また、学校内のことだから教師としては絶交しなさいとは言えないし、親が絡んでいるから事を荒立てたくないはずだ、と指摘された。

 あと、その父親には他にも常識を欠いた言動があり、例えば命にかかわる病気を冗談のネタにしたことがあった。この担任教師にしても、身体的な原因で虐めに遭っている生徒に、そんなこと気にしなければ良いと言って済ませる人だった。


 それで気が付いた。

 こういう人たちがいる環境に身を置くと、不愉快な思いをするだけでなく、本当の友達が出来なくなる。そんな環境の学校に入ってしまったら、不運にも学校で出くわしてしまっただけだと考え適当にあしらって、他で友達を作るべきだ、と。

 顎関節症の不幸中の幸いだ。

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