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  • 執筆者の写真井上靜

トップガンのマーヴェリックが攻撃したのはイランか

 シリアのイラン関連施設をアメリカが空爆。

 この、どさくさ紛れ蛮行でアメリカは相変わらずだと思ったが、それと同時に思い出したのが、『トップガン』続編『マーヴェリック』である。

 前作は『プラトゥーン』と同じ年で、どちらも大ヒットだったが、『プラトゥーン』のオリバーストーン監督は、東京国際映画祭で来日したさい『トップガン』は「戦争賛美の軍国主義映画」と非難していた。


 そして主演のトムクルーズは、オリバーストーン監督の作品に主演する。

 主演作でヒットが続いたけれど次はシリアスな内容の映画に出たいと自ら望んで、オリバーストーン監督が『プラトゥーン』より前に企画していたが頓挫した『七月四日産まれ』に主演した。

 これは『帰郷』でジョンボイドが演じたベトナム戦争帰還兵のモデルであるロンコ―ヴィックを、かつて頓挫したさいはアルパチーノ主演の予定だったものをトムクルーズが演じることになったという次第であった。


 それから久しぶりの続編となった『トップガン マーヴェリック』 である。

 前作で活躍したF14戦闘機は総て退役していて、トムクルーズは部下とともにパラシュートで脱出したあと敵の基地に保管されているF14を奪って逃げる。

 ということは、アメリカが攻撃している核施設について「ならず者国家」の物というだけで名は出してないがイランのことではないか。イランは革命前の親米というより傀儡の国王の当時、最新鋭のF14を提供されていたのだから。



 そこで、有り得ない活躍をする主人公。

 新人の操縦士は、F14のコクピットを見て旧式さに呆れるけど、トムクルーズの教官は前作で乗って活躍した練達の技術で新型と闘って二機も撃墜するのだ。この、自分が慣れた旧式が最高という非現実な思い込みと願望の為かつて航空自衛隊で旧式の練習機が墜落して教官と練習生が死亡する事故があった。

 この映画はフィクションではあるが、そもそも、この映画の根本が、これからは無人機の時代という流れに逆らうもので、まだ職人が活躍できるという夢物語のため、敵の脅威を作って攻撃するのであるから、危ない発想である。


 あと、前作のヒロインが出てこないのは役者が激太りしていたから、らしい。

 それで、主人公の知り合いという別のヒロインが設定されている。扮するジェニファーコネリーのやっている店でデビッドボウイの歌が流れているのは、彼女が15歳の時に主演して大ヒットした『ラビリンス』へのオマージュだろうか。

 そして彼女がトムクルーズに持論を説くさい首を傾げる仕草をすることで神妙な気持ちを表現するのは、アイドルのようだった彼女がアカデミー賞を受けて演技派になる『ビューティフルマインド』その他よくやる演技だが、こんなところを気にして観ているのは余程のファンだけかもしれない。

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