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スタンリーキューブリックと三浦和義

  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2024年3月11日
  • 読了時間: 2分

 前に雑誌に書いた日本映画監督協会の創立記念祝賀会を取材した記事の件。

 この催しで、同協会は、映画の著作権は製作者ではなく監督にと主張していた。これについて、スタンリーキューブリックみたいに製作兼監督とすれば良いのにと言うと、できることならそうしたいが難しいというのが監督の立場だった。


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 それをスタンリーキューブリック忌日で思い出した。

 キューブリックは『スパルタカス』で雇われ監督となり揉めた経験から「ますます製作の管理面に首を突っ込むようになったが、しかし映画の芸術面での成功は、この分野での闘いにかかっている」と言っていた。

 それで自分が映画を作るなら製作・監督でないと無理だなと思った。それは、もちろん難しい。


 製作費を集めることは難しくない。

 なぜなら、あるところにはあるからで、集めたあとの管理の方が難しい。そう言っていたのは三浦和義氏であった。彼は映画製作を手掛けたことがある。そして、交渉すれば幾らでも出て来るというほどだったそうだ。しかし、集めた資金を製作に関与する者が着服したので、業務上横領で刑事告発したという。

 むかしから、映画製作で横領は珍しくなかった。大作にしては安っぽい出来なのは製作に関与している者が横流したからで、それで家を建てた人がいたとか酷いこともあった。


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 ところで交渉というと刑務所の暖房である。

 かつて「ロス疑惑」で騒がれて逮捕された三浦和義氏は、収監された宮城刑務所で執拗に抗議と請願を繰り返し、冬に暖房を入れさせたのだった。緯度からして暖房は無用だと突っぱねる刑務所の職員に対し、では自宅にも暖房は無いのかと突っ込むと、有ると白状した。この結果だった。これを映画化で高知東生が演じていた。

 最近、長野刑務所で凍死者が出た。低体温症であったのに病死といって誤魔化していたという酷い話である。


 要するに、無いとか駄目とか言われても交渉次第ということである。

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