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  • 執筆者の写真井上靜

タイムマシンで過去に戻れたら何をするか

 タイムマシンで過去に戻れたら何をするか。

 という仮定の質問がある。そのうち、過去の自分に警告できたら何を言うかという問いがあって、これは後のことを知っていて教えるからカンニングの一種とも言える。

 ただ、カンニングとばかりも言えない。


 今この問いに対しては、害になる人付き合いをやめるよう注意する、と答える。

 これが同級生の場合ほとんど全員で、一人か二人の例外がいるだけだ。それくらい昔はババかだったわけだが、当時は気づかず後で判ったことを教えるならカンニングであるけれど、そうではなく当時の自分でも気づいていた。

 ところが、親と教師から交友を押し付けられた。これが最大の悪影響だった。


 かつて『はだしのゲン』を読んだ時のこと。

 読み始めて不可解なことがあった。主人公ゲンの父親が戦争を批判して迫害を受けるが、これが明確で理路整然としているから、そこまで出来るなんて一介の職人で庶民なのに難しいのではないかと感じた。

 読み進めていくと、父の友達が演劇人で、芝居の中で反戦を訴えた続けたため弾圧され死んでおり、その友達から影響を受けたのだった。これなら納得である。


 ゲンの父親は良い友達だった。

 多くは、都合が悪い時だけ友達と言い、弾圧されたら、その巻き添えは御免だと自己保身に走る人が多く、表立っては無理だが陰で出来るだけ助けるというのならまだ良いが、ひどい奴は信念を貫くなんてバカな奴だと嘲笑する。

 しかしゲンの父親は良い交友関係だったから、共感して迫害されても節を曲げなかった。そして、こうした真の友達付き合いを、親は理解できないことが多い。

 


 とくに、うちの母親が酷かった。

 これは、大人の喜ぶ子供という上辺に直ぐ騙されるからだ。そして、いざとなると裏切る卑怯者だから避けていても、良い子だから仲良くしろと迫り、避けていても接近させることを何かとやらかしてくれる。

 だから、もしも当時の自分に説教できたら、親の話は聞いているふりだけにしておけと言うだろう。

 

 


 





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