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カッコ悪い世良公則

  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 7月18日
  • 読了時間: 3分

 「おれたち、ごはん党。カッコ悪いなんて言うなよ」

 と、世良公則が飯を持った碗を持って言うテレビのCМがあった。一緒にバックバンドの連中もいた。78年の放送だったはずだ。また、ホームビデオの普及がまだ始まったばかりの時代だったためか、動画サイトに投稿も無かった。

 それくらい昔のことだった。世良公則が人気歌手だったのは。


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 もちろん、芸能人が宣伝に出るのはイメージだけのこと。

 だから世良公則らが米飯を好んでいるかは別である。そのCМは、米が生産過剰と食生活の変化による「米離れ」で消費減となったことから減反の連続となっていた時期だった。

 そこで、もっと米飯を食べようという啓発のCМが放送され、この当時ちょうどヒット曲を連発して人気が出ていた世良公則とバックバンドが起用されたのだった。

 その後、そのバックバンドの「ツイスト」のメンバーたちは中心人物が薬物使用の事件を起こすなど何かと荒れているというか悲惨というかだった

 

 だぶついた米を消費するため、学校給食で米飯が導入されるようになってもいた。

 それまでは、米飯よりパンの方が栄養的に優れているとして給食でパンを無理強いしていたのに。パンを子供に食べさせるのは、あのヤマザキのコンテナで金髪白人の子供がパンを頬張る図柄が示すとおり、アメリカ式の生活が良いのだという刷り込みであり、実はアメリカが余った小麦の在庫処分のため敗戦により従属国となった日本に押し付けたという次第で、まさにアメリカの陰謀だった。

 これを今さら問題にしているのが参政党だが、この党は問題提起は尤もだけど続けて必ず無茶苦茶なことを言ってばかり。メロンパンが毒とか。そこで日本人を優先にしろとか本気で訴えたければ、麦ではなく米にしろと言うより米軍基地の問題を語れはいいはずだ。それなのに、強い相手には何も言えず、ただ外国人排斥を煽っている。


 そしてカッコ悪いのが世良公則である。

 それよりもっと歌手としても俳優としてもキャリアがある沢田研二は、社会に対して発言すると同時に、自分では選挙に出ず山本太郎を応援していた。沢田研二としては、自分が政治家になるには年齢的に遅いけれど、山本太郎はまだ年齢三十代なので、これから政治家として力をつけて行けると言うことだった。山本太郎をどう評価するかは別にして、誰だって議員を俄かにやれるとは思ってないということだろう。

 では世良公則ならどうなのか。一連の言動からすると、政治への関心からして明らかに俄かなものだと判る御粗末さである。いちおう無所属だが自民党の高市早苗議員と政治姿勢が一致しているのを公言している。農政の失敗による米不足を招いた自民党と。かつて芸能人として全盛期だった当時に啓発のCМに出演していたことなどすっかり忘れているのだろう。

   

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