なぜ同級生はFラン大学に行ったのか
- 井上靜

- 2020年8月17日
- 読了時間: 2分
更新日:2021年6月24日
高校の同級生で、いわゆるFラン大学に行った人がいて、それも一浪して入った。
この「Fラン」とはAからEまでの5ランクに入らないという意味だから、Fの下は無く、6番目ではない。つまり入学試験は有って無いようなもの。ただでさえ田舎の新設の私立大だから人気がなく、そんなところを出ても就職は悪いどころか高卒より不利で、いつも定員割れしている。だから、願書を出して、いちおう入試を受ければ合格する。あとは金さえ払えば入学できる。定員割れしていても合格点をとっていないなら落とすということは、経営上の事情からしない。
それなのに、なんで彼は浪人したのか。浪人しなくても入れるからFラン大なのに。これは浪人して予備校に通って受験勉強したけれど受けたところが落ちてばかりで仕方なくということではなかった。現役の高3の時はどこも受験せず、浪人して予備校に通ってFラン大しか受験しなかった。
まず、いちおう受験予備校に通って大学に入った形だけとりたかった。そして、
いくらFラン大でも試験で名前と受験番号だけは書かないといけない。試験は全然できなくても受験生らしく試験会場に行って名前と受験番号を書くことが、彼はできなかった。それで、予備校に通って形だけでも受験生としてふるまうことを一年かけて学んだのだ。
こうなってしまったのは、彼は高校在学中にバカになってしまったからだ。彼と中学でも同級生だった人によると、その当時から変ではあったが、本格的におかしくなってしまったのは高校の時だったそうだ。彼は高校在学中、勉強しないから赤点ギリギリで、なんとか卒業した。未成年飲酒と喫煙もしていたが、あと漫画ばかり読んでいた。特に高橋留美子のファンだから連載がある『少年サンデー』は必ず買っていた。あと『ムー』を愛読していた。これらの雑誌を買うため昼飯代を流用してしまい、いつも腹が減って朦朧としていた。そのうえタダだからと図書館で無料配布の『PHP』を読んでいた。
これではバカになっても当然だろう。
そして大学には6年通って単位がろくに取得できず、卒業を諦めて中途退学した。家業を継いだが、ちゃんと務まっているかは疑問。遠い親戚の女性とお見合いで結婚した。子供が産まれたら「あんなだったけれど、生殖機能だけは何とか残っていたか」と周囲から言われていた。



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