博士号の取得者を増やすべきという人たち
- 井上靜

- 7月2日
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大学の教員や元職の人たちが文科省を批判している。
これは、自民党の排外主義者たちの働きかけにより、外国からきた留学生への公的援助をなくすという国粋主義のことだ。もともと外国からの留学生は、国内の研究に参加して多大な貢献をしていた。そうした学問上の事実を知らない人達による単純バカ的な発想であるから、批判は当たり前である。
あの学術会議のことでも、現政権の反知性主義は度し難く、国を滅ぼすものだ。

日本で博士号を取得する人が減っていることも背景にある。
それで外国から来た人ばかりの印象になって誤解している人たちがいる。だから博士号の取得者を増やすべきだと説く元大学教員がいた。
それによると、博士号を取得すると大学に勤める以外の就職が乏しくなるから、これでは博士号取得者が減って当然だと言うわけだ。そして、諸外国では勤め人に博士もいるのが普通なのに、日本は公官庁も民間企業も博士を疎ましがる風潮だから、それなら博士を一定雇うよう義務付ける法律を制定するべきだという。
それより費用が原因だという指摘もある。
そもそも大学の学部でさえ金がかかって大変、この段階で諦める人がいっぱいいるのだから、大学院に進んで修士さらに博士の過程に進める人など、ごく少数の恵まれた人たちである。
その後の就職を心配する前に、学問に関心が強くても諦める人ばかりというのが昔から今までの実態である。だから、そんな富裕な家庭の恵まれた人など就職しなくていいはずだ、大学の研究でもやっていろ、と言う人たちが多くなる。これでは就職など無いに決まっている。
これを解決するのが先だろう。
中学の時に受験の数学を習った人が博士号をもっていた。
この人は自分が工学博士だと言っていた。それで「ポスドク」として研究ではなく受験の指導を仕事にしていた。それはいいけれど、この人の数学の授業は解らなかった。誰もが解りにくいと言っていた。ところが、その時は難解だけど、自分が大学に進んでから、その難解だった話を思い出すと簡単に理解できるし面白いのだ。もちろん、そんなことより入試が迫っている時は手っ取り早く受験の対策をして欲しいものだから、後で面白くなる話など正直言って迷惑だった。
しかし、この、後から面白さが解かることなど知らない人たちが今の政権与党に多いということだろう。だから知的好奇心など無駄としか考えられない。ついでに反知性主義もはびこる。その結果が、このところの無茶苦茶な立法と行政なのだ。



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