top of page

学術論文を知らない人が多い

  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 6月2日
  • 読了時間: 2分

 「論文に書いてあった」

 そんなことを「ドヤ顔」で言う人は、自分で論文を書いたことがない人で、そもそも論文とはどういうものか解ってない。

 こういう指摘を、大学の先生していた人が話に出していた。

 そもそもの話は、自分の頭で考えない人が、安易に「渡りに船」の論文に飛びつくものだ、という問題だった。


 論文は誰でも書ける。

 だから、後で間違いだと解るものもあるし、最初からデタラメとかインチキとかのものもある。また、盗作とかパクリとかもある。

 そこで勘違いする人がいて、書かれただけでなく読まれて審査された論文なら正しいと思ってしまう。これも大学の先生が指摘していて、査読論文とは、学術誌に掲載してよいか、その内容が、その研究の分野に合っているか、という意味で確認されたものであるから、内容が正しさが証明されたわけではない。


ree

 文系と理系の論文で違うこともある。

 文系の論文は一人で書くのが普通だが、理系の場合は集団で研究したうえで書くことが普通にあるから、研究の班とかチームとかで、ただ名を連ねているだけのことも普通にある。

 それに関してだが、医療裁判(ホームページ参照)の時に、被告側の医師が、自分は日本で唯一その論文を発表しているので他の医師に無い知見があると豪語し、これを医師の代理人の弁護士が間に受けて、この医師は日本一の権威者だと言っていた。実は他の人が書いた論文に連名しただけ。実際に書いた医師は、後に他の医科大の教授になっているが、自分が書いたように言った被告側の医師は、講師止まりでアカデミズムの分野を去っている。


 弁護士は文系である。

 それで理系の論文を知らなかったにしても、お粗末すぎる。と呆れて言ったのは理系の院生である。また、その弁護士(京大法学部卒・もと高裁判事)は、その論文を自ら読んで確認していたら、連名しただけであると気づくはずだ。

 この話題の最初に出したとおり、都合が良い論文に飛びついて、論文というだけで権威があるように言ってしまい、自分で確認する作業を怠る、その典型である。

 それに弁護士だって、実は一人の弁護士が書いた訴状なのに、同じ法律事務所の弁護士全員の名を並べて載せてコケ脅しする手口が、ずっと昔から今まで続いている。そんなこと、医者は弁護士と違ってやらないと思っているのだろうか。そうかもしれない。そんな幻想を抱いている法曹関係者は結構いる。おそらく劣等コンプレックスによるものだろう。

 


コメント


  • twitter

©2020 by 井上靜。Wix.com で作成されました。

bottom of page