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  • 執筆者の写真井上靜

『高校生から始める現代英語』今年の夏の特集

更新日:2021年6月24日

 NHKラジオ第二放送の『高校生から始める現代英語』は、時事ネタを題材にした実用の英語を標榜していて、役に立つので努めて聴くようにしている。

 夏の特集、去年はシェークスピアの『ロミオとジュリエット』だったが、今年は2014年に米国大統領として初めて広島を訪問したオバマ大統領の演説だった。

 このさいオバマ大統領は、犠牲になったのが多くの日本人と数千人の朝鮮人と捕虜の米国人13人であったこと、人類が自らを滅ぼす手段を得たこと、などの指摘をし、後世から見て、悲劇が始まった日としてではなく、人類が英知を発揮するきっかけとなった日となるようにしなければならないと、核兵器廃絶を訴えた。

 これは大統領が外国で行う演説だから、その草稿は練った内容であり、平易でありながら微妙な意味にも配慮していて、格調高い表見になっている、ということで教材に適しているというわけだ。

 ここで、講師の伊藤氏が、言葉の表現の解説とともに、内容には人それぞれ感想があるだろうと言い、例えば核兵器廃絶を訴える大統領が核兵器の発射ボタンを持っている現実を考える人もいるだろうと指摘した。

 そのとおりで、オバマ大統領はイラク戦争に反対していたが、ブッシュ大統領に代わって自分が大統領になるとリビアを攻撃した。巡航ミサイルと劣化ウラン弾で街を破壊し土地を汚染させ、現在も混乱が続いている。リビアは核兵器の保有を志向していたが(ハリウッド映画『バックトゥザフューチャー』に描かれている)放棄して査察を受け入れ、対決姿勢から国際協調に転じた。そこにつけこまれて一方的な攻撃を受けたのだ。

 これを知っている北朝鮮は、態度を硬化させて核開発を再開した。アメリカの大手メディアの垂れ流しを受け売りするだけのNHKや朝日新聞など堕落したマスコミに騙されている多くの日本人とは違い、北朝鮮は産油国で外貨を持つリビアに医療などの分野で出稼ぎに行っている人たちが常に一定いたから、現実を直接知っている。

 だから、オバマ大統領の核兵器廃絶は空々しい偽善どころか、世界情勢を知らない人が北朝鮮より多い日本を騙したうえで、核兵器は米国以外の保有国が悪いと畳みかけているのだ。

 これを指摘する人は米国人にもいて、例えば映画監督のオリバーストーンは、日本で政権交代があったら、その総理大臣が沖縄から米軍の負担を無くしたいと言って、このためオバマ大統領にクビを言い渡されたのだと問題にした。

もちろん番組は考えるきっかけまでで、あとは突き放している。それでよいのだ。各々が考えることである。

これについて興味があったが知らなかった人には、ネットのNHK語学「聴き逃し」用の過去ログがある。

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