top of page
  • 執筆者の写真井上靜

『赤旗』は読む新聞ではなく売る新聞

 かつて『ナニワ金融道』の青木雄二が著書で述べていた。

 『赤旗』を読んだほうがいい、と。なぜなら、商業メディアはスポンサー企業の圧力などがあって自由な報道ができないから、それとは違う政党機関紙を読むべきで、日本では共産党の機関紙の『赤旗』が最も充実している。

 また、共産党員でないと『赤旗』を読めないわけではないし、『赤旗』を読んだから選挙で共産党に投票しないといけないわけでもない。


 この迷信は、昔から今まで相変わらずである。

 『赤旗』を読んだことがある人なら解ることだが、商業メディアと違う報道など紙面に存在しない。ほとんど存在した試しがないとすら言い得る。

 例えば、特に国際問題ではNATOのプロパガンダを垂れ流す欧米メディアおよび受け売りする日本の大手メディアと全く変わらないし、他の件でも批判的な論調なら商業マスコミだって同じ水準のことを載せている。市民運動団体の機関紙が普通に載せている事実でも、『赤旗』は無視している。



 こうなっている図式は実に単純である。

 党機関紙として独自取材すると、手間・暇・費用がかかるから、大手メディアの受け売りで手間と暇と経費の節約をする。これでは『赤旗』なんて商業メディアと同じ内容で当たり前である。

 そんなことでは読む価値が無いけど、しかし創価学会の機関紙『聖教新聞』の購読料金が「御布施」であるのと同じで、「読ませる・読む」ための新聞ではなく「売る・買う」ための新聞なのだ。あくまで団体の資金稼ぎのためである。

 このことは、何十年も前から指摘されてきたことだ。


 そんな党機関紙の中身を党員は鵜吞みにする義務がある。

 だから商業メディアの記者クラブ垂れ流し報道と欧米メディアの報道に名を借りたプロパガンダを、日本共産党員たちは疑いもなく受け容れている。それは間違っていると指摘されても、赤旗に書かれていることは党中央委員会の言うことだから絶対に正しいと頑なである。

 しかし、もっと啓蒙された共産党員は、お布施と同じだと解っているから、読めば役に立つと購読を他人に薦めながら自分では殆ど読まない。読む価値が皆無に近いと解っているからだ。

 つまり『赤旗』の内容を熱心な共産党員ほど信じていないのだ。

 

 あとは、店を経営していて民商に入っている人が義理で購読料を払う。

 とても得である。民商(共産党系の民主商工会)は経理などを専門の人が手堅くやってくれるなどするから。

 それを知らないで期待するとガッカリする。日本共産党に怒っている人は、だいたいが自分の無知から文句を言っている。付き合い方が間違っているのだ。だから悪いのは共産党ではない。

閲覧数:38回0件のコメント

関連記事

すべて表示
bottom of page