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​炬火 Die Fackel 

  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 3月25日
  • 読了時間: 2分

更新日:3月25日

 「信じて貰えないでしょうが」

 オウム真理教事件の教祖は逮捕されて言った。「目が不自由な私に、こんな大それたことができるでしょうか」と。

 これをマスコミは、逃げを打っていると無理な解釈していたが、言葉の内容からすると、そんな信じられないことを自分はやったのだぞと誇っている。

 この教祖は弱視だった。そのため普通の学校に行きたかったが、叶わなかった。


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 それよりしばらくのちのこと。

 障害者の子供を普通の学校で受け入れるべきだと運動している人達が、これを学校に働きかけるようになった。しかし文部省が決めたことに逆らうと教職員は処分されるので、拒否されてばかりだった。

 その中で、ある全盲の女の子が小学校に入学させて欲しいと頼み、付き添っていた支援者が補佐すると言ったのだが、これに対して校長が、それなら可能ではあるけれど、障害者は障害者のための学校でないと入れてはならないと決められているので、盲学校に入ってくださいと涙ぐみながら言っていた。

 この様子がテレビで取り上げられ、放送を見た人たちも涙ぐんだり、日本の制度はなんと冷酷なのかと憤ったり、していた。


 かって朝日新聞所属だった当時の本多勝一記者が告発していた。

 彼の妹は重度の障害者で、その原因に医師の不適切があったらしく、当時は住居が田舎だったことが影響したそうだけれど、それで必然的に関心をもち色々と取材していたら、そこで解ったのは日本の学校制度とは選別のためにあり、偏差値で輪切りするけれど、その前に先ず弾かれるのが障害者だった。

 だから、学校の中で分けられた内で虐めがはびこり、障害者の学校では障害が比較的軽い者が自分より障害の程度が重度の者を虐めている。そういう話だった。

 あの教祖も、盲学校で全盲に対しては優位だったので、虐めをやっていた。 


 要するにオウム真理教は教祖のルサンチマンが影響している。

 事件があったら色々なことを言う人達が湧いて出たけれど、そこで教祖の生い立ちを論う者ならいても、そこから社会に怨恨を持つ者が出ないよう差別を無くそうという発言は、ついに出なかった。

 これは、どうせ弱者だから怒ったところで何もできまい、泣いたり自殺したりするだけだ、などと普段から考えているためだ。それで、中には怨恨によって復讐する者が出ても理解できないでいるのだ。そして治まっていたけれど別の形で噴出するようになってしまい、それでも未だ解らず繰り返してしまう堂々巡りとなるのだ。

 
 
 
  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 3月24日
  • 読了時間: 2分

 『おむすび』の視聴率が低い。

 これでは、同じ時間帯の連続テレビドラマとして最低記録となるのが確実だと指摘されていた。最初から次第に視聴率が低落している形なのだそうだ。

 ということは、人気の橋本環奈が主演なので話題になったものの、話の展開が良くないので見なくなってしまった人たちが多い、ということである。


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 連続テレビドラマの最初に視聴率が高いのは製作者の功績と言われる。

 なぜなら、最初に視聴率が高いのは話題づくりに成功したということであり、話題になるネタやスターといった企画を実現したのは製作者であるからだ。

 しかし、話が面白くないと、最初に見ていた人達も次第に見なくなってしまう。逆に話が面白いと、見続ける人が多いから視聴率が下がらないうえ途中から見始める人達も出るから視聴率は上がる。話を作っているのは脚本家である。

 だから、連続テレビドラマの後の方で視聴率が高いと脚本家の功績だと言われる。


 山田太一や野島伸司が名脚本家と言われるようになったのは、連続テレビドラマで視聴率が尻上がりになったからだ。

 それまでは、人気ドラマの脚本家はいたけれど、やはり偉そうにしているのは製作者など仕切る立場の人だった。しかし視聴率を稼ぐということで職人としての脚本家が次第に評価されるようになったのだ。


 つまり『おむすび』の視聴率低落は脚本家の手腕が原因ということができる。 


 

 
 
 
  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 3月23日
  • 読了時間: 2分

更新日:3月23日

 歌手・俳優いしだあゆみ死去で思い出した。

 『ブルーライトヨコハマ』という歌が大ヒットして彼女は有名になったが、これは曲を付けた筒美京平にとっても出世作となった。それで受賞式に来ていしだあゆみを祝福していた。この様子はテレビに映っていた。

 それを忘れて、筒美京平とは集団ペンネームだと勘違いして言う人がいた。その後、筒美京平はマスメディアに姿を曝すことをしなくなり、様々な歌手たちの歌に曲をつけた名義は頻繫にマスメディアに登場していたからだ。


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 三枝成彰はマスメディアに出てばかりいた。

 タレントみたいにテレビに出ていたのは出演料を貰えたからで、雇っている事務員の給料のためだと言っていた。また、この当時三枝成彰が週刊誌から、様々な芸能人の女性と浮名を流していると騒ぎ立てられていた。

 その中で、いしだあゆみだけは実際に交際していたと言っていた。他は付き合ってなどおらず、個人的に会ったこともない女性の名まで誌面に出ていた。

 後で知ったが、芸能マスコミにいしだあゆみのファンがいて、その人が嫉妬して嫌がらせするつもりで流したのだった。そんなまさかの動機だったので、三枝成彰としては想像を絶することで、どうしようもなかった。そして、いしだあゆみに不信感を持たれて仲が壊れてしまったから悔しかったと言う。


 そのさい三枝成彰は騒ぎ立てられも毅然とした態度だった。

 なぜなら、本当でも嘘でも、付き合っていると言われて恥ずかしがったり怒ったりしたら、そんな女性だと思っているという意味になってしまうから、そんな失礼なことはできないということで、本当は不愉快だったけれど堪えていたと言う。

 だから、週刊誌に騒がれて怒っている人たちは、やましいから毅然としていられないのだろうとも言っていた。例えばビートたけし。週刊誌に文句を言いに行って喧嘩になって暴力行為などで逮捕され有罪判決を受けたが、これは法的に正式な配偶者と険悪になって他の女性と親密交際していたことを週刊誌に追及されたからだった。


 あと三枝成彰がいしだあゆみとのことで言っていたのが面白かった。

 芸能記者たちに取り囲まれると彼は言った。付き合っていることで何が訊きたいのか。要するに、結婚するつもりなのか、肉体関係があったのか、ということだろうけれど、十代のアイドルとかならともかく二人とも離婚経験者なのに今更そんなこと訊いても意味がないでう、という趣旨だった。

 なるほど、その通りだと思ったものだった。 


 

 
 
 
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