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​炬火 Die Fackel 

 共産党は選挙で埋没した感があるとマスコミから指摘されていた。

 これは共産党が減税や財政の政策を立てて選挙で公約していたにも関わらず、他の党も同様の政策を言い出し、しかも他党は独自性を訴えたのに対し、それが共産党に無かったので目立たなくなったというわけだ。他に比べて共産党が最も緻密な政策であったのに。

 これだから惜しいとか残念とか言われた。


 政策をとやかく言う人がいる。

 そんなこと言う人は、自分が共感できる政策に近い政党に投票すればいいだけで、共産党に限らず自分の希望と違う政策の党に言うことではない。

 だから共産党の問題は選挙の対策である。政策の中身ではなく政策を上手に訴えていないから支持が集まらない。参政党は政策が良いから支持されたのか。違う。参政党の支持者に参政党の政策についてどう思うか訊いたら、知らない人ばかりだった、という事実がある。


 参政党のポスターは顰蹙を買っていた。

 「日本を舐めるな」とか「政治はロックだ」とか、ふざけるなと言われていた。しかし、そうなるのはポスターが目について読まれたからだ。ポスターを貼っても気づかれないとか、どこの党のものだという以外サッパリ印象に残らないのでは、悪口すら言われない。何気なく通りすがった人の目に入り顰蹙を買ってもらえる程度には上手くいったポスターということだ。

 そういうことが共産党は特に少ないというか、ほとんど無い。


 昔から共産党のポスターはセンスが悪かった。

 それを知り合いの共産党所属議員に言ったことがある。富士山の写真を背景にしていたり。これでは自衛隊のイメージだと言ったら、富士総合火力演習とかではなく、富士山は日本の象徴だからだそうだ。なら天皇をポスターにするのか。やれば変な意味で受けるかもしれないが。とにかく富士山は、ただアイデアが無かったから無難に風景写真という程度のことだったはずだ。そんなポスターばかり。

 なので貼っても印象に残らない。


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 共産党のポスターはデザインもレイアウトも素人臭い。

 あれは如何にも、昔の映画で花沢徳衛が演じていそうな町工場の親父みたいな人に、いつも共産党を支持してくれるから、というだけの義理と人情で発注してやり、しかも構成まで丸投げして、素人臭くて感覚も古いポスターになった、という感じがする。おそらく貼った効果など考えていないだろう。

 一方、参政党のポスターは、おかしなコピーが顰蹙を買う程度の注目を集められたし、あの構成からしてプロの仕事である。政策の中身はひどいが、イメージ宣伝にはしっかり金をかけている。その点を共産党は少し見習うべきではないか。

 
 
 
  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 7月22日
  • 読了時間: 3分

更新日:7月23日

 西田昌司が落選しなかった。

 裏金とひめゆりの塔の戦争犠牲者を侮辱する発言で非難轟轟だったのに。それで窮地の西田昌司は選挙で「助けてください」と泣き落としに出た。あの丸川珠代を彷彿とさせるが、丸川は裏金が祟って落選したのに、裏金の他に舌下事件それもかなり悪質なことをしでかした西田が辛くも当選した。これは「助けて」の呼びかけに応じた者かいたからだ。


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 西田昌司を助けたのは立憲民主党だった。

 開票で期日前投票の結果が加わると、西田の得票は急増したから、組織票が相当に入っていたと指摘されている。それでも西田の得票は前回の半分以下に激減していた。西田の当選に驚いた人たちが、その選挙区である京都府民は何を考えているのかと言っていたが、やはり裏金や非常識発言のため投票しなかった有権者はそれ相当にいたということだ。

 ところが、批判票を参政党が取った。これは他でもあることだが、そのうえ京都では国民民主党と立憲民主党も候補者を立てて批判票を分断した。これにより共産党の現職が得票を奪われた。立憲民主党は他と違って自民党に擦り寄らない方針だったし、候補者を降ろしてもらう協力を共産党から受けている選挙区もあったのだから、京都は候補者を立てず共産党の現職を支援すべきだった。そうすれば西田を駆除することは簡単だった。


 立憲民主党は京都で自民党と相乗りしてきた。

 だから、立憲民主党が自己のことばかり考えて候補者を乱立したという批判の一方で、もともと自民党と一緒にやっているのだから、共産党の現職を支援して自党の候補者を降ろすことはしないのが当然だとも言われていた。

 つまり、裏金など党派にかかわらず誹りを受けるべきことより、自民党と馴れ合ったり反共で提携することを、立憲民主党は選択したという指摘である。これは当たっているだろう。特に京都では、立憲民主党と国民民主党の旧民主党が共産党を敵視して、そのためならなんでもやってきた。この象徴的な人物が前原誠司であることはいうまでもない。


 しょせん立憲民主党は保守で右派だ。

 だからといって、共産党が候補者を降ろして協力しても感謝せず、うまくいけば自分の手柄、思い通りでないと共産党のせいだと責任転嫁、という子供っぽさまる出しの態度が正当化されはしない。だから野党支持者から顰蹙を買っていた。

 なにより今回の西田問題は、党派と関係なく、許してはならないことだった。それに対する認識が立憲民主党に無いということである。

 もともと立憲民主党なんて結局は国民民主党や維新と同じで、自民党の補完勢力だと言う人もいるが、そういう部分もありはするだろうが、政治が何をすべきか理解していない只のバカが幅を利かせている部分が組織の中にあるのではないか。


 

 
 
 

 阿部知子衆議院議員(立憲)が指摘した。

 参政党が支持を広げたことに慌てた既成政党は、その体質が排外主義であると批判しているけれど、そもそも参政党は薬害問題で注目を集め、さらに外国人の排斥などへと主張を展開したのだ。

 この事実から同議員は、小児科開業医として関心を持って発言してきた薬害について言及した。大企業である製薬会社からの政治献金を受け取っていたり頂戴する期待をしていたりの既成政党は薬害に対し沈黙していた。この間隙を突いて参政党は、実はカルト宗教から支持されていたけれど隠して、大企業の後ろ盾が無いことをアピールして支持を呼びかけたのだ。


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 もとから既成政党が薬害に真面目な取り組みをしていたら違った。

 あそこまで参政党が伸長することはなかったはずだ。医療と行政に難があって市民が不安がっているところに付け込むように支持を呼びかけて相当の効果があった。それを見す見す許した既成政党の怠慢がある。

 それなのに、注目されて支持を集められてしまった後になってから参政党は排外主義だと批判して手遅れになった。これだから既成政党は反省が必要だと、同議員は指摘している。まったく当たり前の指摘だ。


 ただし阿部知子議員が同じ党の原口一博議員を引き合いに出したのは不適切だった。

 なぜなら原口議員は参政党と同じ手口で注目を集めているだけだから。彼は周知の通り極右の歴史修正主義者である。特にドイツと日本は、薬害などの医療犯罪と戦争犯罪は密接な関係がある。それを右派が本気で糾弾することはあり得ない。

 だから、前に川田龍平議員が薬害の被害者としての立場から活動していることについて、にもかかわらず政治的な立ち位置が左右にぶれている事実を指摘のうえ批判した。なのに、医療問題に詳しい知り合いのジャーナリストは彼を支持するあまり「右や左の問題ではない」と感情的になった。これは先日ここで取り上げた話題であった。


 特に酷いのは米山隆一議員であった。

 被害について権威ある論文が無いとか、有益さのほうが被害を上回っているとか、そんなことを言って、阿部知子議員を批判した。文献が無いのではなく彼が知らないだけだとか読んだところで彼の知識では理解できないとかの指摘は色々と出ているし、もともと彼は出まかせで他人を批判する発言が多いので、これもその一つだとも言われていた。

 なにより米山隆一議員は論点をすりかえて阿部知子議員を非難したから最低だ。あるいは、そう言って被害者を切り捨てれば自分らの責任が無くなるということだ。とんでもない言い逃れ。無責任。政治家失格。

 しかも、全体から見て多少の犠牲は仕方ないという冷酷かつ残忍な趣旨である。こういう医師と弁護士がよく見受けられるから、同議員もそのカテゴリーに入る医師・弁護士ということだ。それが駄目なのだと何十年も前から言われてきて、だから市民の目線が必要なのに、彼はいい加減に権威主義を持ち出す。そんな議員は要らない。税金の無駄だ。


 阿部知子議員に「参政党に行け」と罵声が浴びせられていた。

 そもそも参政党が不安に付け込み煽って注目されてしまう前に、他の党が真面目に取り組むべきだったと言っているのに、そんな非難は不当極まる。

 こういう人達は、参政党のファッショ体質を批判しているようでいて自分がアンチ参政党ファシズムになっている。まさに「木乃伊取りが木乃伊になる」だ。

 他にも、医学博士号を持っているという女性が、阿部知子議員に対して「東大出の医師ともあろうものが」と滑稽な非難をしたうえ「まあ、お歳なのでしょう」とハラスメント。もっとも、学位をひけらかす人なんて、だいたいそんな非常識な人である。

 特に愚かなのは、自称リベラルとか野党支持者たちである。阿部知子議員の指摘に対して、参政党の差別主義を批判することを否定していると言って攻撃していた。どうやれば、そんな解釈ができるのか、頭の構造を疑うしかない。

 こういう人達こそ実は参政党を生かしているのだ。 

 
 
 
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