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​炬火 Die Fackel 

  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2024年4月29日
  • 読了時間: 3分

 タモ氏こと田母神俊雄もと空幕長の意見。

 これはSNSの投稿であった。趣旨は以下のとおり。

 テレビのニュースで、小学生から金融の勉強を、という話をしていて、かなり長い時間を取っていた。そこで証券会社の担当者が出て、子供のうちからお金について考えさせることが大事だと言っていた。これについて政府も「新NISA」を国民に勧めている。しかし全員が儲かるわけでもないのに株式投資をこれほど勧めるのは誰かの儲けのためだ。そんなことより、学校教育ではもっと大事なことがあるのではないか。

 ということたった。


 「学校教育ではもっと大事なことがあるのではないか」

 この、タモ氏の指摘は正しい。選挙に立候補したら買収は駄目とか、防衛大では教えないから小学校で。自衛隊の学校は市民としての教育をしない。それどころか市民という存在を敵視している。警察も同じか、それ以上である。

 また、かつて聖心女子大学の学生寮にある郵便うけから選挙の投票券が何枚も盗まれ、それが替え玉の投票という不正に利用された事件があったけれど、これは頼まれた聖心女子大生が、同じ郵便物なのでダイレクトメールやポスティングといった宣伝と区別できず、それを取って渡してしまったらしく、取り調べた警官は世間知らずのお嬢様に呆れてしまい、そんな学校だから礼儀とか躾とかには熱心でも市民としての教育はおろそかであったということが露呈したのだった。


 お金の話は大事である。

 だから学校で教えるべきだ。そうしないと、後からでは手遅れで、しかも防衛大や聖心大では尚更に無様さが酷くなる。前に自衛官が相次いで詐欺に引っかかり、逮捕された犯人は「自衛官は世間知らずなので騙しやすかった」と言っていたことが報じられた。

 しかし投資は違う。これは博打だから、競輪・競艇・競馬などで稼ぐのと変わらない。前に取り上げたことだが、親の七光りの政治家たちは、証券会社などが親の威光を気にして確実に儲かる銘柄を推薦しているので、それ以外の投資家たちが割を食っている、という実態を知らない。それで、投資とは楽をして儲かるものだと勘違いしているのだ。そこへ付け込んで新NISAと言いだす人たちがいる。

 だからタモ氏の指摘する通りである。



 学校で教えるべき金の教育は他にいくらでもある。

 たとえば、不動産を購入するさいのローンとか、クレジットカードの仕組みとか、そういうことなら必須科目であって当然だ。しかし投資は、興味のある人が自分で勉強することである。

 もし教えるとしたら、法律だろう。これは前にアメリカであったことだが、小学生がお小遣いで製薬会社の株を購入すると、その製薬会社がHIVに対する特効薬の治験を始めたという嘘をインターネット上に流し、それで株価が上がったところで自分の持ち株を売って儲けたけれど、株価操作のために風説の流布したことは経済犯罪であり警察沙汰になった。親が記者会見を開いて謝罪していたが、子供は違法とは知らずにグッドアイデアだと思ってやったのだった。こういう法律についてこそ、学校で教えるべきことである。儲け方ではない。

 
 
 

 NISAと資産運用大国の危うさを芸能人も指摘していた。

 これは元々アイドル系だったタレントが、自ら投資をして大損した経験から述べていたことである。

 そもそも投機・投資とはハイリスク・ハイリターンの投機である。博打も同然のことだ。


 大企業の資産運用部門で働いていた知人に訊いた。

 もちろん、そのやり方についてだが、この答えとは、正しいやり方をすると成功するものではないのが投機・投資ということだった。なにより押えておくべきことは、社会にある富は有限であること。その移動が儲かるとか損したとかである。




 かつて「損失補填」が問題になった。

 大手の証券会社が、企業など大口の取引では、損をさせてしまった場合に責任をとって損失補填していた。これは大手を相手にした場合だけ。そして自社の損は他の客すなわち中小の取引先にしわ寄せすることになる。まったく不公正な経営である。

 このため、中小の投資に対して故意に損が確実な銘柄を騙して押し付けることもやるわけだが、あれだけ騒ぎになっても改まらない。これは投資の基本的な構造によるものだから、改まらないに決まっている。


 証券会社も銀行も、大口の投資をする御得意様には損をさせないよう腐心する。

 そして政治家の息子などには、損をさせてはいけないので絶対に儲かる銘柄と時期で奨める。それで親の七光りの自民党政治家たちは、投資とは絶対に儲かるものだと思い込んでしまう。親の威光で苦も無く選挙で当選している自覚が無いのと同じで、永田町センセイの御子息だから損をさせないよう気を使ってもらっているという意識が無い。

 こんな調子だから、資産運用で打ち出の小槌のごとく労せず金になるという勘違いに基づいた政策をされてしまう。こんなことでは個人が破綻するだけでなく国が滅亡してしまう。


 今の段階では自衛しかない。苦労知らず政治家の無知と無能には付き合わないことだ。

 
 
 
  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2024年2月19日
  • 読了時間: 2分

更新日:2024年2月19日

 パイオニアといえばカーナビの会社で通っている。

 かつてはオーディオが中心で、日本の会社の中で中心的な企業の一つだった。後にオンキヨーと合わさって、それがオンキヨーの経営破綻で一緒に無くなった。他にいくつものオーディオメーカーが無くなった。オーディオのスタイルが変化したからで、それについては説明するまでもないだろう。

 そして今ではパイオニアならカーナビである。


 『怪獣総進撃』という映画があった。

 その冒頭で「21世紀初頭」とナレーションが入るけれど、そのあとゴジラが暴れる街にあるパイオニアの看板のロゴは90年代のうちに無くなっているはず。

 この映画はゴジラシリーズの8作目で1968年の公開である。だから、この当時はパイオニアが危機に至るとは予想できなかったのだろう。近未来の設定だけれど、それより前にとは想像を絶することだったわけだ。



 なんでパイオニアの話をするのか。

 それは思い出があるからで、ただしオーディオ商品は買ったことがない。系列の電話会社があった複数の場所に偶然だが住んでいたので、親近感があり、その電話は買ったことがある。

 もう一つ、かつてオーディオメーカーで働いたことがあり、そのさい話題になっていたのだ。これは人員整理で解雇ということがマスコミで騒がれたことだ。


 パイオニアは「福音電気」だった。

 もともと創業者が基督教徒だったから、そういう社名にしたと言われている。それなのに非情な解雇をしているということで騒がれたのだ。

 しかし、オーディオメーカーで働いていた時、営業で行った個人経営のレコード店の主が、こう言ったのだ。「あそこは放漫経営で、ろくに仕事しないで給料もらっている社員が大勢いるから、その結果だ」と。


 その後プラズマテレビの事業で失敗した。

 この前からロゴは使われなくなっていた。それが続くと思ってSF映画のセットの看板に描かれていたということだ。もしかすると宣伝のタイアップだったのだろうか。時々ある。そういう場合は怪獣が壊さないものだから。和光時計台などは壊して苦情があった。

 そんなことで、いまさら思い出の話であるが、かつてオーディオメーカーが放漫経営でいいほど儲か時代があったということで、これは他の分野にも言えることだ。それなのに教訓としない企業が多いのは、緊張感が無いのか、それとも解っていてもどうすることもできないのか、である。多分、両方だろう。


 
 
 
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