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​炬火 Die Fackel 

 NISAと資産運用大国の危うさを芸能人も指摘していた。

 これは元々アイドル系だったタレントが、自ら投資をして大損した経験から述べていたことである。

 そもそも投機・投資とはハイリスク・ハイリターンの投機である。博打も同然のことだ。


 大企業の資産運用部門で働いていた知人に訊いた。

 もちろん、そのやり方についてだが、この答えとは、正しいやり方をすると成功するものではないのが投機・投資ということだった。なにより押えておくべきことは、社会にある富は有限であること。その移動が儲かるとか損したとかである。



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 かつて「損失補填」が問題になった。

 大手の証券会社が、企業など大口の取引では、損をさせてしまった場合に責任をとって損失補填していた。これは大手を相手にした場合だけ。そして自社の損は他の客すなわち中小の取引先にしわ寄せすることになる。まったく不公正な経営である。

 このため、中小の投資に対して故意に損が確実な銘柄を騙して押し付けることもやるわけだが、あれだけ騒ぎになっても改まらない。これは投資の基本的な構造によるものだから、改まらないに決まっている。


 証券会社も銀行も、大口の投資をする御得意様には損をさせないよう腐心する。

 そして政治家の息子などには、損をさせてはいけないので絶対に儲かる銘柄と時期で奨める。それで親の七光りの自民党政治家たちは、投資とは絶対に儲かるものだと思い込んでしまう。親の威光で苦も無く選挙で当選している自覚が無いのと同じで、永田町センセイの御子息だから損をさせないよう気を使ってもらっているという意識が無い。

 こんな調子だから、資産運用で打ち出の小槌のごとく労せず金になるという勘違いに基づいた政策をされてしまう。こんなことでは個人が破綻するだけでなく国が滅亡してしまう。


 今の段階では自衛しかない。苦労知らず政治家の無知と無能には付き合わないことだ。

 
 
 
  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2024年2月19日
  • 読了時間: 2分

更新日:2024年2月19日

 パイオニアといえばカーナビの会社で通っている。

 かつてはオーディオが中心で、日本の会社の中で中心的な企業の一つだった。後にオンキヨーと合わさって、それがオンキヨーの経営破綻で一緒に無くなった。他にいくつものオーディオメーカーが無くなった。オーディオのスタイルが変化したからで、それについては説明するまでもないだろう。

 そして今ではパイオニアならカーナビである。


 『怪獣総進撃』という映画があった。

 その冒頭で「21世紀初頭」とナレーションが入るけれど、そのあとゴジラが暴れる街にあるパイオニアの看板のロゴは90年代のうちに無くなっているはず。

 この映画はゴジラシリーズの8作目で1968年の公開である。だから、この当時はパイオニアが危機に至るとは予想できなかったのだろう。近未来の設定だけれど、それより前にとは想像を絶することだったわけだ。


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 なんでパイオニアの話をするのか。

 それは思い出があるからで、ただしオーディオ商品は買ったことがない。系列の電話会社があった複数の場所に偶然だが住んでいたので、親近感があり、その電話は買ったことがある。

 もう一つ、かつてオーディオメーカーで働いたことがあり、そのさい話題になっていたのだ。これは人員整理で解雇ということがマスコミで騒がれたことだ。


 パイオニアは「福音電気」だった。

 もともと創業者が基督教徒だったから、そういう社名にしたと言われている。それなのに非情な解雇をしているということで騒がれたのだ。

 しかし、オーディオメーカーで働いていた時、営業で行った個人経営のレコード店の主が、こう言ったのだ。「あそこは放漫経営で、ろくに仕事しないで給料もらっている社員が大勢いるから、その結果だ」と。


 その後プラズマテレビの事業で失敗した。

 この前からロゴは使われなくなっていた。それが続くと思ってSF映画のセットの看板に描かれていたということだ。もしかすると宣伝のタイアップだったのだろうか。時々ある。そういう場合は怪獣が壊さないものだから。和光時計台などは壊して苦情があった。

 そんなことで、いまさら思い出の話であるが、かつてオーディオメーカーが放漫経営でいいほど儲か時代があったということで、これは他の分野にも言えることだ。それなのに教訓としない企業が多いのは、緊張感が無いのか、それとも解っていてもどうすることもできないのか、である。多分、両方だろう。


 
 
 
  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2023年11月25日
  • 読了時間: 3分

 東芝が株の公開を止める決定をした。

 これは、このところ続いた経営の混乱が原因で「もの言う出資者」である株主を抱えている余裕がなくなったから、ということらしい。特に原発事故があったことで、サザエさんが言いづけた「エネルギーとエレクトロニクスの東芝」としては深刻な問題に直面したわけだ。

 しかし、そうでなければ世界的に知られる技術を持っていたのだから、ここで起死回生を目指すつもりだと言う。


 日本で原発の設計図を書いていたと自慢していたのが大前研一である。

 そして原発事故があっても原発に執心であるが、過去に政界入りを志向して失敗した人というのが一般的な認識だろう。

 かつて、都知事選で青島に投票する奴は駄目だと言っていた知人が、では誰に投票したのかと訊いたら大前研一と言うので、この人も駄目だと思ったことがある。


 あの都知事選挙で大前研一は虚飾が剥がれた。

 彼は、自分にソコソコの知名度があるから、あとは宣伝だと勘違いして、金をかけて派手なパフォーマンスを繰り返し、唄ったり踊ったりしてバカらしいと有権者から無視され、焦る姿がテレビで放送されていた。これでは票が入らなくて当たり前なのに、デマを流されたから惨敗したと言い訳をしていた。

 いくら何でも空々しい。歌ったり踊ったりで落選しておいて不正選挙だと言い訳したのだから、大前研一はオウム真理教の麻原彰晃と同じだ。

 

 大前研一は経営コンサルティング会社を経営していた。

 そのマッキンゼーという会社の手法は、経営の改善ではなく、下っ端が悪いのであって上層部の責任ではないのだと言って御機嫌をとるだけだと指摘されていたし、実際そうだとしか言いようがなかった。

 そんな人が、政界入りを志向して「平成維新」と標榜していた。こちらが今の維新の元祖であり、名称だけでなく内容も同じだ。

 しかし大前研一が政界入りにしくじり、同じことを実施したのは小泉純一郎であった。この師匠が竹中平蔵である。


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 韓国映画『国家が破産する日』が話題だった。

 この内容は韓国が一時的な繁栄に浮かれ「北朝鮮を抜いただけでなく、日本に次ぐアジア第二位の経済大国になった」と言っていたが、すぐに虚飾が剝がれて経済破綻しIMF傘下に入ってしまった時代を背景にしている。

 このIMFは、アメリカのでも駄目な組織だと指摘がある。だから韓国の専門家たちからも、関わるのは危険だと指摘されていた。それを、ちょうど竹中平蔵のような次官が強引にIMFを呼ぶことに決めて、異論は排除し、すると危惧したとおりIMFは金を融通する代わりに、経済へのテコ入れとして人材の流動化と称した安易な解雇と非正規雇用の合法化を強要したうえ、韓国を外資に売り飛ばすよう求めてきた。

 これで韓国の中小零細企業は次々と潰れ、庶民は生活苦に陥り、自殺者が激増するが、一部の大企業だけ大得して、そこに次官は天下りする。

 まったく、小泉純一郎のやらかしたことと酷似しているが、もともとは元祖「維新」と称して大前研一が目指したものだった。


 やはり「ナポレオンがいなくても誰かがやったはず」という格言は正しいということだ。

 
 
 
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