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​炬火 Die Fackel 

  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2022年3月7日
  • 読了時間: 2分

 ロシアが遂に「法定通貨の金本位制」に向けて舵を切ったらしい。

 これまで何度も露国と中国が準備を進め。米国が阻止しようと画策してきた事を語ってきたが。遂に踏み切るらしいことを伺わせる発表があった。

 これにて、不換紙幣でありながら基軸通貨である矛盾を抱えた米ドルが沈むのではないかと言われている。

 

 このような話題に元々は裏情報とかを面白がる人が飛びつくものだ。

 ただ、ニクソンショック以来のドル支配打開に金本位制という発想は昔からあった。

 これをリビアやろうとしていて、だからカダフィはNATOに殺されたと言われていた。この件について、当時ロシアのメディアが熱心に報じていた。そうなると、今ロシアがやろうというのは予定調和であろうか。

 また、ドルの信用性についても、英国の経済アナリストがロシアのメディアに出て「ドルなんてDランク」と言っていた。「Dだよ、D」と。


 日本では井上ひさしが説いていた。

 彼の代表的な小説『吉里吉里人』は、東北の一地方が金本位制で分離独立しようとする話だった。吉里吉里という所は井上ひさしテレビ番組の代表作『ひょっこりひょうたん島』のモデルとなった小島が見渡せる漁港であるが、常に戦争と経済の関係を説いていた彼の特徴がもっともと反映された作品であろう。



 また、こういうのが報道にないのも問題である。

 これについては、戦争と報道という観点で拙書『朝日新聞の逆襲』で取り上げていた(https://joesuzuki3.wixsite.com/websiteホームページ参照)。

 これが中東イスラム問題に力を入れている第三書館から発行されているのは、上記のような事情である。

 アマゾンのレビューで本の内容と全然違うことをネトウヨが書いているが、こうした悪ふざけは昔からのことで誰も信じてないから無視に限る。

 著書の主たる内容は戦争と経済と中東イスラム問題であり、そして間接的にロシアのメディアのことにも触れているのだ。やっと世界の方が追いついてくれたという思いである。

 


 
 
 
  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2022年2月13日
  • 読了時間: 2分

 女性のヤリ手風にしている経営者が得意になって言った。

 雇った人たちに「スキル」の低い人がいるので高めてやろうとしても、そんな人は意欲に欠けているもので、元からその気が無いのだ。だから待遇も相応になるし、うちの職場にとって価値の低い人である。差異があっても仕方ないだろう。

 なにやらスポーツのコーチみたいだと言われていたけれど、こういうのが好きな人もいる。



 ただ、そんなことを口にするのは非常識だ。

 では逆に、使われている者からすると、どうか。今以上のことを求められたら、まず現実的には仕事の労苦や給与などの待遇から不均衡になることがあるし、また働く意義や甲斐という点で個人的・社会的に難がある場合もある。

 なので、この程度で良いとか、これで仕方ないとか、それで不満足なら辞める、他所に行く、などなど自分の頭の中で考えて、それぞれが対応を決めることだ。そこへ経営者が余計なことを言うものではない。


 例えばスポーツでも趣味と実益の問題がある。

 もっと努力すれば大きな活躍ができると言われても、趣味として楽しんでやっているのだから、それ以上にやると楽しくなくなってしまうという問題があるし、そうまでしても稼げるかという実益の問題もある。

 とにかく、生活を犠牲にしてまでやるかというと、大抵の人はやらない、あるいはできない、だろう。


 まして仕事として働くことには生活がかかっている。

 それで収入が増えても大切な家族や趣味を犠牲にしては無意味、という価値観も、外国では当たり前だったし、日本でも昔と違って増大している。

 こんなことも解らない人がヤリ手風の経営者として威張っているのだから、まだまだ日本は進歩が足りないのかもしれない。

 
 
 
  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2022年1月30日
  • 読了時間: 2分

 平成元年前後とかバブル期とかいわれる時に、栄養ドリンク剤の宣伝歌がウケた。

 これは三共の発売したリゲインという商品で、俳優の時任三郎が出演して唄っていた。曲のノリが良いこともあり60万枚くらい売れたという。それくらいだったから、当時はカラオケで唄ったり出勤前に聴いたりで気合いを入れる勤め人もいた。しょせんサラリーマンなのに「ビジネスマン」と気取って恥じない歌詞は、さすがバブル時の強壮剤である。


 大学でドイツ語を習っていた先生はオーストリア文学が専門だった。

 その文学の講義もしていた。ここでRシュトラウスのオペラ『ばらの騎士』と台本の作家ホフマンスタールのことや、ウイーンフィルのニューイヤーコンサートなど華やかな一方でオーストリア帝国が戦争ばかりしていたこと、これを厳しく批判や風刺をしていたカール-クラウスはホフマンスタールの戦争翼賛も批判したこと、などが取り上げられた。

 これがリゲインと、どう関係あるのか。



 リゲインの宣伝歌は「♪黄色と黒は勇気の印」と歌い出す。

 これは瓶のラベルが黄色地に黒文字だったからだ。このパロディで「♪黄色と黒は工事の印、24時間、通れませんか」というのもあった。

 それはともかく、オーストリア帝国では戦争費用を寄付したら赤い羽根みたいに「愛国十字章」を胸に付けることになっていた。昔から今までオーストリア国旗は赤と白だが、このハプスブルク王朝の時代だけ国旗は黄色と黒であった。だから愛国十字章は黄色と黒の配色である。そして戦費の寄付を国民に呼びかける政府広報のキャッチコピーは「黄色と黒は愛国の印」だった。これをカール-クラウスは戦争を批判する大著『人類最期の日々』で皮肉っていた。


 リゲインの宣伝はオーストリア帝国のプロパガンダを意識したものだったのか。

 もしも事情を知っている人がいたら教えて欲しい。もしかすると意識したのではないか。インターネットで検索しても宣伝と歌の由来は出てこなかった。

 そのオーストリアも世紀末に「泡沫経済」という正に「バブル」の時代から戦争の時代となったのだった。そしてハプスブルク王朝は滅びてナチス時代となった。日本のバブルもはじけてリゲインのような宣伝はなくなったうえ政治的にも似た雰囲気となってきた。





 
 
 
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