top of page

​炬火 Die Fackel 

 エッフェル塔の前でふざける自民党のお婆ちゃんたち。

 まるでインドのダンスみたいなポーズするなんて場所と不似合だ。せっかく御フランスに行ったのだからシェーッとやれば良かったザンス。


 イーストウッドが監督した映画『父親たちの星条旗』の場面。

 たった一枚の写真によってベトナム戦争に対する世論が変わり、アメリカは敗北したと言う会話がある。

 だから自民党内でも写真が問題になったのだろう。



 それに、こうした外遊は前から批判されていた。

 自民党の国会議員や有力閣僚が「研修」「視察」と称して外国に行くと、実際にやることは名所巡りやグルメであり、在外公館職員が歓楽街への案内に忙殺される。

欧州ではバカンスの時期、日本なら5月の連休。そこで「研修」「視察」に行くのは昔から悪名高い行為だった。


 とくに酷いのは石原慎太郎だった。

 そんな外遊先から国際郵便で挨拶状がくると後援会の連中が喜ぶからと、その宛名書きを大使館員たちにやらせ、現地で困っている日本人が来ても職員は多忙と追い払われたりしたものだった。

 こうして人気取りしながら、頼もしい国家であるべきだとかナショナリズムを煽って、これに騙さる日本人が少なくない。


 こうした前提があってのことだから、パリの事は自民党内からも軽率だと注意がされていたのだ。

 それなのに、何が問題なのか解らないという人は、たいした無知である。

 
 
 

更新日:2023年8月6日

 ブッシュJrと安倍晋三は酷似しているという前々回の話題だった。

 また、最悪だから何としても辞めてもらいたいという人たちがいたことも共通していた。このため、ブッシュJrに反対して立候補する人を非難する米国人たちがいた。ラルフ=ネーダーという消費者運動で知られる人が、環境保護を最重視する「緑の党」から大統領選挙に立候補することについて、反ブッシュの票を分裂させてブッシュを利すると言うのだ。

 しかし、その前にブッシュSr(区別するため父の方をシニアと米国では言う)を批判してロス=ペローという大富豪が立候補したことについて、ペローは保守派だけど、ブッシュの票を分断すると非難する保守派はいなかった。


 ペローは金があるから宣伝してそれなりの有力候補とみなされた。

 だから、いつも二大政党だけのテレビ討論にも三人目候補者として参加した。そこでブッシュが、自分には官僚と副大統領としての経験があると言ったのに対し、クリントンがアンカーソン州知事の経験があって失業対策では実績があると言った。

 そこで政治家の経験がないペローは、自分には莫大な財政赤字や貿易赤字を作った「経験」は無い、と皮肉って大いにウケていたが、そのうえで、伝統的な価値観が崩壊した社会にした「経験」も無いと言い、二大政党を批判のうえ保守派として保守主義者を自称するブッシュをより強く批判したのだった。


 ネーダーも二大政党を批判して立候補すると言った。

 これに対して、消費者や環境の保護を訴えると、大企業の支持が多い共和党より、労働組合の支持がある民主党から票がネーダーに流れると批判した人たちがいた。しかし、民主党も政治献金が欲しくて大企業に擦り寄る政策になっていて、消費者保護・環境保護などが蔑ろでの共和党と変わらない。だから二大政党が批判されている。

 それでも、ブッシュJrはひどすぎるから、政策などそっちのけでいいからとにかく辞めさせるべきだと言うわけだ。政策がダメでもブッシュよりはマシという「よりマシ論」である。

 しかしネーダーは言った。そんなにひどいブッシュに、二大政党の片方から立候補して勝てない候補者とは何なのか。それに、二大政党が同じだから投票率が低下しているので、その棄権している人たちにこそ投票して欲しくて立候補しているのだから、票が割れるというほどのことは無いと反論した。


 日本も同じことだった。

 安倍がひどすぎるから、とにかく辞めさせることだと言う人たちがいた。

 もともと、自民党に批判的でいながら、自民党より野党を非難する人たちがいた。例えば、共産党は日本最古の政党で固定支持者が多いのに、共産党が野党の票を分断しているという言い掛かりをつける連中。なだいなだ、きむらゆい、などなど挙げていたらきりがない。

 そして、新興の立憲党は、低投票率だから棄権している有権者にこそ呼びかけるべきなのに、他の野党が自党に協力するべきで、それが当たり前、という言動をしてきた。「野党共闘」が上手くいっても礼は言わず、思い通りでないと共産党のせいにする。

 また、新選組は仇で返すようにされたと立憲に怒りをぶちまけていた。


 そして安倍が辞めて、そのうえ死んだ。

 首相を辞し、一国会議員になり、さらに政界だけでなくこの世からいなくなったけれど、これで解決ではなく、後継者が同じ政策をより悪質に推進している。ブッシュさえ辞めさせればいいというのが間違いであることはオバマによってハッキリしたけれど、それと同じく、安倍さえ辞めさせればいいというのが間違いであったことが証明された。



 これは結果としてのことではなく、最初から判っていたことだ。

 そして予め見えていた結果になったというだけのことだが、それでも間違いを認めない人たちがいる。これは間違っていたのではなく最初から確信犯だった人もいるのではないか。  

 あるいは、実質的に確信犯だけど無自覚ということかもしれない。

 
 
 
  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2023年8月5日
  • 読了時間: 2分

更新日:2023年8月7日

 ブッシュJr大統領と安倍首相は酷似していると前にここで述べた。

 そしてブッシュがひどすぎるので何でもいいから大統領を変えたいと思い、二大政党以外から立候補する人がいると、どちらかというと共和党より民主党の票が多く流れるので、立候補するなという人たちがいた。ブッシュ批判して立候補してもブッシュを利するだけだと言って。

 しかし、民主党の候補者は共和党と変わらない。なので、投票しても無駄だと思う有権者が多く出て、投票率が低下しブッシュが当選してしまうのだから、せめて批判票の受け皿として立候補する者がいたほうが良い。という指摘も出た。



 するとイラク戦争に反対したオバマが大統領となった。

 これでブッシュ親子から変わると期待されたが、オバマはブッシュの政策を引き継いだうえ戦争の激化や貧富の差の拡大など輪をかけた。再選するため政治献金してくれる大企業を喜ばせる政策で、再選したらスポンサーに恩返しの政策だった。官僚は、オバマ政権の二期目を「ブッシュ政権の四期目」と言っていた。

 だからトランプ大統領が期待されたのだ。ちっとも良くなってないが、変わりはした。オバマ大統領の時に健康保険制度など改革をしたが、それを壊した。しかし、それらの改革はしない方がまだ少しはマシというものだった。オバマ大統領は自分に政治献金してくれる医療関連業界の利益を優先させたので、低所得層が迫害される結果だったから、そんなの止めてしまえということで庶民は大助かりだった。


 これも日本は同じである。

 自民党から変わって欲しいから、野党第一党に票を集中しろという人たちがいて、共産党などが立候補すると反自民票が流れて自民党を利するという非難までした。

 ところが立憲や国民は変えようとしない。特に立憲は野党共闘の恩恵を受けても期待に応えず、割を食って忍従している共産党・れいわ組に侮辱的な態度をとった。

 これが、少なくない有権者に予想できていたから、余計に悪くなるけれど壊し屋だから変わりはしそうだということで、自民党に輪をかけた維新や参政に投票する有権者が出たのだ。


 すべてアメリカの後を追っている日本の政治経済ということである。

 
 
 
  • twitter

©2020 by 井上靜。Wix.com で作成されました。

bottom of page