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​炬火 Die Fackel 

  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2022年8月9日
  • 読了時間: 3分

更新日:2022年8月10日

 安倍元首相殺害事件がきっかけで話題のカルト宗教には、色々と悪いことがある。

 しかし、ここで勘違いしている人たちがいて、統一協会とかオウム真理教とかカルト宗教と呼ばれる団体が反社会的なのは、非科学的だから悪いとか言っている。

 これが間違いなのは、まず科学的というのは客観的のようでいて主観的であり、正しくないと指摘されたから悪であるとは言えない、という当たり前のことを踏まえていないからだ。


 これは拙書『防衛医大…』(hp参照)でも述べたことだが、かつて防衛医大を受診したのは、現役の防衛医大の学生に紹介されたからだった。

 この防衛医大生とは、スピリチュアリズム団体で知り合った。前にも述べたとおり母親がシャーリー-マクレーンのファンだったので、その種の団体に出入りしていた。それで、だった。そうしたら、医療被害に遭うという最悪の事態になる。


 防衛医大は、統一協会のシンパであり『世界日報』を愛読していると公言する渡部昇一上智大学教授を招いて学内講演させている。

 その前から筑波大学では、福田信之学長の専制支配的な運営のため、統一協会の巣窟となっていた。物理学者だったが研究より政治力の人で、それがカルト宗教にのめり込んでいた。もともと学界では「ヘアツ」と言われていた。エナジーではなくエネルギーというように、ハートではなくドイツ語でヘアツつまり心に問題があって人間性に難があるという意味で言われていたのだった。


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 オウム真理教騒動のさい理科系の大学院まで行った人たちが信者なので驚く人たちがいた。

 けれど、決して不可解なことではなかった。その団体には、防衛医大生の他にも医科歯科大とか東大とか早大理工とか、偏差値の高い理科系の大学生が大勢いた。だいたい理科系ではない人たちは幻想を抱きがちだが、理科系の人たちは専門的に追究することで限界を知り、その先にある未知なものに憧憬を抱きがちなのだから、むしろ当たり前である。

 しかも、非科学的とされていたことが後に正しかったと判明し、科学的に正しいとされていたことがことの方が間違っていた、ということは過去にいくらでもある。そもそも、あくまで人間が認識することであり、社会的に認知されることだ。実は「科学的に正しい」の正体は「政治的に正しい」のことである、という既にある指摘の通りだ。


 これだけでも、カルト宗教は非科学的だから悪いと言うことはできない。

 ところが、有田芳生らカルト宗教の追及を売りにしている人たちには、この「アカデミックでオーソドックスな人たちこそ宗教に、それ以上にスピリチュアリズムやオカルティズムに傾倒しやすく、また傾倒していない人でも体質と発想が同じである」ということを理解できていない。

 だから象牙の塔の権威に弱く、公式見解とされるものを妄信する。オウム真理教騒動のさい映画監督でテレビドラマをよく撮っていた山際永三氏が「有田芳生とか江川紹子とかは虎の威を借りる狐だ」と言って批判していたけれど、この権勢に媚びる態度から当然にして、これ以外の問題でも常に権力にすりより、悪名高い御用学者と仲良くもする。


 こうして、カルト宗教の追及は大いにやればいいけれど、やっている人たちに共感はできない、ということになる。オウム事件のころから巷で言われていたとおりである。 

 
 
 
  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2022年8月7日
  • 読了時間: 2分

 なにより、神風が吹かなくて日本は戦争に負けた。

 

 神はいる。

 だから日本は戦争で負けた。


 つまり、軍国主義の日本をどう評価するかである。価値観の違いで其々が解釈をするのだ。


 神はどこにも見当たらないが、存在しない証明もない。

 そう言う人もいて、まるで小泉首相の居直りである。米国による侵略と虐殺の戦争を支持したけれど、口実の大量破壊兵器は結局出てこなかったことに「無かった証拠も無い」と言った。それで劣化ウラン弾の被害は無視。通産省の官僚に騙されて原発推進してしまったと怒っているけれど、ブッシュ大統領には騙されたと言いたくないのだ。

 これと同じで、神は存在しないと解ったが、宗教家に騙されたとか被害の実態とかは見て見ぬふりである。


 前に、平和運動の集会で勝手に発言した人を見た。

 この人は「キリスト者」と称し大きな十字架を持って掲げていた。小渕首相に平和の問題で陳情したけれど、話を聴いてもらえなかったそうだ。それを言いたくて勝手に台の上に上がり発言したのだ。このさい大真面目に言った。

「キリスト者の平和への願いと真摯な訴えを無視し、このため小渕さんは神の思召しで天に召されました」

 同じころ、田中真紀子議員が演説中こう言った。

 「小渕さんは、頭の中がブチッと切れて御陀仏さんになった。自業自得」

 父田中角栄元首相が病気で倒れた間隙に裏切って派閥を乗っ取った仲間に入っていた小渕首相に怒っていたところ、同じ病気で死亡したということだ。

 キリスト教徒は天罰と解釈したわけだが、仏教では因果応報ということになる。


 安倍元首相を狙撃できたのは上手くいきすぎだと見る人もいる。

そして、これは神の御陰だと真面目に言う。神を冒涜する如何様の宗教と癒着した政治家に、その宗教の犠牲者が復讐したのは天罰ということらしい。


 ということで、神仏なんて人それぞれ勝手な解釈によるものなのだ。


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  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2022年7月31日
  • 読了時間: 2分

 そもそもの疑問。

 統一協会のトップの人々は、自分たちの教えを自分で信じているのだろうか。という人たちがいて、こういう疑問は、あらゆる宗教団体に共通している。

 

 しかし、答えは明確である。

 どこの宗教団体の教祖や幹部たちでも、信者の手前では自分でも本気で教義を信じていて、それ以外では全く信じていないものだ。精神や人格をその時々の都合で入れ替える特殊な能力を宗教家は皆もっているからだ。

 これについて、だいたい自己暗示だと前は思っていたが、今は認識が変わって、おそらく宗教家の殆どは統合失調症または前段階の人格(パーソナリティ)障害だろうと確信している。


 精神医学や心理療法の経験が豊富な人が指摘していた。

 人格障害は、その症状ではないときがあって、この人間性は周囲から評価が高い。知的で人格者と思われている。そんな人が宗教家となるのだ。そうでなければ、多くの信者が騙されることはないはずだ。意識しての芝居は一部であろう。



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 また、自民党の福田達夫総務会の発言である。

 彼は、旧統一協会と自民党の関係が批判されているのに「何が問題か分からない」と言って不快感を堂々と表明した。

 これは居直りだと批判する人たちがいるけれど、そうじゃなくて、本当に理解できないのだと思う。バカだから。親から何もかも受け継いで、子供のころから周りにしてもらって当然だった人が大人になったら、必ずこうなるものだ。彼は親も祖父も総理大臣だった人で、その威光により労せず政治家になった人だから、当たり前。

 

 ということで、宗教や宗教まがいに関して、あのての人たちは噓くさいけれど当人は本気なのだ。

 
 
 
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