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​炬火 Die Fackel 

更新日:2022年8月14日

 キリスト教の三大異端といわれるのが「エホバの証人」「モルモン教」「統一協会」である。

 これらは他の多くのキリスト教宗派と違いすぎて、キリスト教ではないとまで言われている。エホバの証人(『ものみの塔』とも言う)は、開祖が聖書を独自に解釈して、モルモン教は開祖が神の啓示を受けたと主張して、そこから起こった宗教団体であり、統一協会は韓国人の開祖が救世主(すなわちキリスト)だと説いている。


 エホバの証人がマスコミで騒がれたのは輸血拒否の騒動であった。

 交通事故で重傷を負った子供の親がエホバの証人の信者で、その戒律により輸血に同意せず、輸血をしないで手術をして結果は子供が死亡する。ただ、手術とは別に輸血に同意が要るのはリスクが相当にあるからで、それを同意しないから悪いとは簡単には言えず、この場合は輸血しても助からなかったと考えられ、なのにマスコミが騒ぎすぎだったという指摘もあった。

 かつて北米でホームステイした先がエホバの証人の信者だったので信仰に付き合っていたが、独自に編纂した聖書を使い、「血の滴るようなステーキ」は血抜きして食べていた。これを輸血にも当てはめていたわけだ。だからキリスト教界で「聖書の曲解」と批判されるのだ。そんなことしないで仏教徒のように不殺生の菜食主義になればいいのにと言ったけれど、それはできないらしい。


 モルモン教も熱心に布教活動している。

 中学生の時にアメリカ人の青年から声をかけられて話したが、英検のため練習に英語で話したものだった。それで興味があるふりをしていたのだった。

 モルモン教徒が開拓した街ソルトレークシティーは、浸食作用で海が陸に取り囲まれた塩水の湖がある土地だが、異端者として迫害されて荒野を彷徨っていたら死海と同じような場所に来たので「我々はモーゼと同じだ」「神から導かれた」と思ったそうだ。どうせ偶然だろうけど、気持ちはよーく解る。

 斉藤由貴が不倫で騒がれた時、無知な芸能レポーターが、斉藤由貴は信仰で知り合った男性と結婚したほどの敬虔なクリスチャンなのに何故かと言っていたが、彼女の信仰しているのはモルモン教で、ここが異端とされるのは一夫多妻だからで、単に開祖のジョセフ-スミスが女ったらしだっただけという説もあるけど、とにかく敬虔なクリスチャンなのに不倫というのは的外れである。だから昔テレビで観ていて笑った。


 今話題の統一協会は「世界基督教統一神霊協会」の略である。

 よく統一教会と誤記されるが、教会ではないのに外国でUnification Churchと訳していても違和感がないのは、外国だと霊感商法をやってないからだろう。霊感商法の被害者は、ほとんど日本人だ。壺だの霊能者だのはキリスト教会がやることではない。だから日本では基督教ではなく神霊にかかるから、正式名称の略称の「統一協会」が適切である。

 オウム真理教の教祖が「私はキリストである」と言って、仏教とヒンズー教に基づく宗教団体なのに変だと言う人もいたが、これは本来の意味の「救世主」のことである。そう教団も説明していた。これと同じで韓国人の教祖が救世主を自称していて基督教ということで、実態は神霊つまりスピリチュアリズムやオカルティズムの団体なのだ。


 こうした事実を経験から知っているので逆に、どんな勧誘されても冷淡でいるのだ。

 ところが、こういう話をするので誤解され。神秘主義や心霊現象に傾倒していると思われることがある。


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  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2022年8月13日
  • 読了時間: 2分

 統一協会は自民党と密接だが、他には旧民社党の一部議員と懇意だった。

 だから、今でも自民党以外の政党に触手を伸ばして当然であり、民社党のように自民党より強い反共性であるか、少なくとも同程度なら、擦り寄るだろう。それで立憲党などにも目を付けていたわけだ。


 ところが、仲良し政党の選挙支援だけではなかった。

 あまり目立たないが、たまに統一協会の信者が自ら選挙に立候補することがある。かつて中曾根内閣の当時、うちの近所の主婦たちが応援を依頼されて、その中には政策も確認しないで自宅の前にポスターを貼った人があった。

 この統一協会の信者の女性は、選挙に立候補したさい中曾根首相を絶賛して「心の底から尊敬している」と言っていた。

 

 「へんなオバサンが出てきた」

 そう言ったのは知人の大学生で、民青同に入り共産党を応援していた。それで「あの人は統一協会でしょう」と言ったら「よく知ってますね」と驚かれた。少年が何故かと思ったらしい。母親が統一協会に寄付をしていたから知っていた。

 もちろん、うちの母親は統一教会が如何わしい団体だとは思っていた。ところが、そんな団体に利用されて寄付集めをしている若い女性それも女の子という感じの人に同情して、手ぶらで帰ったら叱られるから可哀想だと言う。


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 そんなことしたら、同情を惹けば良いと思われてしまう。

 そして、もっとやろうと考える。助けることにならない。それどころか同じことをやらされる女の子も増えてしまう。だから、それはダメだと言っても理解できない人であった。ほんとうに困ったものだった。


 
 
 
  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2022年8月11日
  • 読了時間: 2分

 先日は、カルト宗教の問題は科学ではない、という話題だった。

 もともと宗教などは「鰯の頭も信心から」で良いのが原則だ。それを批判するほうがおかしい。そこで問題になるのは、対価が社会儀礼の範囲内であるか、範囲外でも支払いが納得してのことなのか、そうだとしても嘘で欺いていないか、の三点である。これに違反していたら詐欺になり、信教の自由ではない。なにか問題になる宗教は、絶対にどれかの違反をしているものだ。


 これはオウム真理教事件のさい在ったことだ。

 宗教の儀式で百万円単位の報酬というのを非難した人たちがいたけれど、信者が喜んで払うなら結構なことだ。外部から批判するほうが間違いである。

 ところが、この儀式には効能があって、これは京都大学の医学部で研究した結果だと言っていた。ところが、京都大学で研究したのではなく、京都大学の学生が学外で研究したということだった。嘘であったのだ。

 これを指摘されて焦ったオウム真理教は、指摘した弁護士を家族もろとも殺害した。


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 一学生の話が真実という御粗末は統一協会のシンパ学者にもいた。

 それが、渡部昇一上智大学教授が週刊文春で発表した「神聖な義務」であった。これを人気SF『銀河英雄伝説』が皮肉ってパロディにしていた。

 この「劣悪遺伝子の排除で社会が発展」という「ナチズムの功績」とは、渡部教授がドイツ人の医学生から聴いたことであった。一学生が個人的に説いたことを感心して受け売りする大学教授とは、いったいどんな頭の構造なのか。この滑稽さが解らない渡部教授よりは、オウム真理教は偏差値が高かった。少なくとも嘘をついていたと指摘され焦ったのだから。


 こんな人を文芸春秋社は右派の論客として重用していた。

 だから、元社員の立花隆が批判していたが、その後、渡部教授が統一協会のシンパを堂々と隠さなくなってくるにつれて、文芸春秋社は関わりを避けるかのようになった。

 その前だとしても、ドイツ人医学生の与太話を受け売りしてナチスの功績などと説いた人を医療機関が呼んで講演させたのだから、防衛医科大学校の良識も疑われて当然ではないか。

 ところが、ある医療問題の団体の中心的な女性から非難された。そういう話にアレルギーということだ。拙書に書いてあるのが気に入らないから改訂して出版し直せと失礼なことを面と向かって言われた。この女性は大学教授だと聞いたが、もしかすると同じく統一協会のシンパだったのではないかと疑っている。 

 
 
 
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