top of page

​炬火 Die Fackel 

  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2023年4月22日
  • 読了時間: 2分

 「社会主義はお薦めできません」

 中国の鄧小平は、モザンビークで左派の政権ができて、社会主義によって国づくりしたいと言われたさいぴしゃりと言ったそうだ。

 これは、もともと政治大国といわれる中国でも傑出した政治力を持つ毛沢東・周恩来でさえも思い通りにいかなかったのに、アフリカの小国が安易に言ってふざけんなとの意味も、もちろんあっただろう。

 しかしそれより、そう媚びてから続けて援助してくれと言い出すに決まっているので、予め拒絶しておいたはずだ。


ree

 ギニアのサンコンの例がある。

 日本でタレント活動して日本人女性と結婚もしているギニアの外交官オスマン-サンコンは、かつてギニアがフランスの植民地支配から独立したさいソビエトの援助を受けたが不十分だったと不満を言い社会主義は駄目だとお門違いの非難をしていた。

 ただで助けてもらっておいて、少ないと文句を言い、関係のないことまで言い出す。そうすれば対立するアメリカなどに媚びたことになって、おこぼれ得られると計算したのだろう。


 ギニアの態度は一方的にクレクレ言う者の常である。

 そういうのを相手にしてはいけない。だからモザンビークも同じく政治の遅れたアフリカなので要注意ということだったろう。

 これが朝鮮だったら、中国もソビエトもかつて援助して、そうしてやったにしては面白くないことが色々とあって態度には大いに不満だが、それでも取引駆け引きであるから、いくら面白くなくても相手にだって都合があるわけだから仕方ないということであった。それだけの政治力が、小国だけど、一応ある相手ということだ。


 これは政治や外交だけでなく個人の関係でも同じだ。

 よく、親切にしてやって相手に恩を仇で返すようにされた人の話がある。とくに金で困っている人を助けた場合に、返さないくらいならまだマシで、ひどい悪口を言い触らされるものだ。

 ところが、義理は無いけれど親切にしたのではなく、同じことが兄弟姉妹でもあったりするから、よく言われるような金と友情は別ということよりも、兄弟姉妹の方がえげつないことになる。

 これについて、前に勤めていた会社の社長が言っていた。「血は水より濃いけれど、水と違って生臭い」と。

 
 
 

更新日:2023年4月20日

 このあいだ、ある人が体験から語っていた。

 それによると、付き合いを断つべき人とは付き合いを断つべきであり、その見極めをすることに意義があるらしい。

 ところが、それを実行したら、友達が誰も居なくなってしまったという人もいる。それくらい駄目な人付き合いをしていたということだが、そうなるのは自分が変わったからで、よく変わったのは成長したからということができる。


 それを言ったら自分のことが実に適切な例だろう。

 成人前の友人は全員、付き合いを断った。なんでそうなるのか。最初から友達に値しない人だったからだ。あとから成長したことで気づいたのではない。もともと気づいていた。けれど、付き合いを断つことを実行しなかった。なぜなら母親から、あの子は良い子だから仲良くしなさいと言い包められていた。しかし成長して、親の言うことが間違いだと解かった。

 つまり、親が良い子だと言う人は友達として相応しくないと気付けるようになったのだ。


ree

 親が良い子だという人は、大人に都合の良い子供ということである。

 まさか親がそんな悪辣な発想をしているのかというと、そうとは限らない。親も御都合主義に気づいていないことがある。その方か多いかもしれない。

 どうであれ、大人の都合に合う子供が、子供にとって本当に良い友人である訳がない。


 例えば、幼稚園から高校まで一緒だった男子。

 この人は、人の悪口は悪いことだという信念があるようだった。それで自分が何か言われると軽い冗談に対しても激怒する。ところが、大人の言うことの尻馬に乗って言う分には悪口ではなく正当な批判だと信じていたらしい。

 ほんとうに信念から批判するなら、誰かが言っているかは無関係で自発的に言うはずだ。それはしないで、学校で教師が言うと便乗するのだ。こうしているなら、大人の評価は高い。


 うちの母親が彼を評価するのは、彼が知的障害児の世話をしていたからだ。

 といっても、それは登校のさい学校内にある知的障害児の教室まで手を引いているだけだった。もちろん、それだけの簡単な作業でもしないよりは大変である。しかし、彼は自宅が近いから頼まれてやっていただけで、しかも、うちの母親のように上辺に騙されやすい人からの目と評価を明らかに意識してやっていた。

 そして、これは自分も彼に嫌らしい口調で言われたことだが、大人の目と評価には関係なく同様のことをしている者たちが、それゆえ社会意識を持ち制度や政治の点から福祉の問題を語ると、彼は「共産主義者」と非難していた。これも保守的な人たちの目と評価を気にしてのことだった。


 しかし、この姑息な処世術が見破れない母親。

 そして最初は従ってしまっていた未熟な自分がいた、ということだ。ただ、これをあの当時に指摘して言っていたら、もっと醜いことになっていたはずだ。だから仕方ない。それで成人して親の影響から脱してから、彼をはじめとして次々と付き合いを断ったのだ。

 そして未成年者だった当時の知り合いなど、関わらなくて有益であるうえ、なにも困ることはないと実証された。

 
 
 
  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2023年2月7日
  • 読了時間: 1分

更新日:2023年3月26日

 かつて鈴木邦男氏は独身でいることについて、主義や思想に生きるから世俗的な価値観に背を向けたり距離をおいたりしているとカッコよく言っていた。

 けれど、実は若い頃に結婚話があり、結果として結婚しなかった。また、あの当時、相手の女性の親から色々と言われてしまったそうだ。



ree

撮影は筆者



 鈴木邦男氏は、寄稿していた出版社の関係者から「自分の娘が若い頃の鈴木さんと結婚するなんて、反対しない親はいないでしょう」とか「それで鈴木さんは風俗店に行ったりしてるのかな」とか「鈴木さんは古いどころか右翼だから婚前交渉など以の外で、ついに70歳で童貞なんだろう」などと散々弄られていた。


 こういうことは親しい人だから語れることだ。

 また、この人たちは山口正紀氏とも仕事で付き合いがあった。だから昨年の山口氏の訃報に続いて今年に入ると鈴木氏の訃報だから、とても残念がっていた。



 
 
 
  • twitter

©2020 by 井上靜。Wix.com で作成されました。

bottom of page