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金が無いと言って同情を引く人と居直る人

  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2021年6月29日
  • 読了時間: 2分

更新日:2021年8月3日

 「お金を持っとらんばってん食いたか」と言って、佐賀県のコンビニ店で148円のクッキー1個を盗んだ男が逮捕されたそうだ。その時点では未確認だが自称無職の65歳ということだ。

 これで連想するのはジャン-バルジャンだが、警察を批判している人もいた。では店員の立場を考えたらどうか。警察より店長が無情で「金額の多少ではなく盗まれたことが問題だ」と責める人もいるのが現実である。『火垂るの墓』に、飢えた少年が畑の作物を盗んで警察に突き出されると、警官は傷だらけの少年を見て「これだけ殴れば気が済んだだろう」と言い、農家のオジサンがバツ悪そうにする場面がある。


 過日、イタリアで、店から食べ物を盗んだ人が、本当に飢えていて所持金も無かったことが判明したので、無罪となったことが報じられた。まだ記憶に新しいことだ。

 これは、法律で裁く犯罪とするには他人に損害を与える悪意が無ければならないけれど、それが無いなら、動機があくまで飢えであり、動物が盗んだのと同じで罪には問えないし、人間をそこまで追い詰めたのは社会に責任があり、なのに社会の秩序を守る司法が裁くのは無責任かつ非人道的である、というわけだ。


 これを適応すれば、佐賀県の事件は、その男が本当に空腹で所持金も無かったか、それが問題になる。

 よく、金が無いとか言っているのが悪ふざけの場合があり、その方が堂々と強奪やらかす人には多いだろう。


 「お金を持ってないけれど読みたいと」と言って我が著書を強引に持ち去った医師が、かつていた。

 まるでクレクレタコラで、この医師の男性は、大繫盛していた美容外科診療所の経営をしていたけれど、医師法違反で逮捕されて貧乏に転落してしまったからだと言う。

 この逮捕は商売敵の陰謀で陥れられた冤罪だと訴えているが、その真偽は別にして、彼を知っている人は一様に「しょうもない人」だと評す。また、大学医学部で教鞭をとっていたベテラン医師も、大学院で形成外科を教えていた当時「そんな人がいたなあ」程度の認識があるだけなのに、勝手に「一番弟子」と言いふらされて迷惑していると言っていた。


 そんなこともあるので、金が無いのが本当か否かは、結構、重要である。



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