近所の「完全閉店セール」
- 井上靜

- 2023年12月31日
- 読了時間: 2分
よく「改装」か「閉店」の特売を繰り返す店がある。
そして、いつ改装や閉店するのかと言って客も半分は冗談として受け止めていたりするものだ。あの靴屋など、それで有名である。
ところが近所の店は「完全閉店セール」を謳っている。
これは、やや高価で洒落た雑貨を揃えていた。男性の持ち物としては如何かというものが多いけれど、男性でも使って構わないものだ。
いつも賑わっているけれど、売上はどうだったのか。店が維持できる程度の利益でも続けられなくなることはある。テナントとして入居している建物が、人通りの良い場だから売れて当たり前ということで、定額の料金ではなく売上に合わせた上納金の契約で、それにしては売上と利益が振るっていないとなると契約を解除されてしまう。
そういう事情を匂わせる完全閉店である。

地元の女性の議員に話したら、残念がっていた。
その閉店を、最近は行ってなかったので知らなかったが、よく、買わなくても見に行っていたと言う。テナントの事情もあるかも知れないが、最近の経済の情勢が影響したのかもしれないと推測していた。
あと、もう一つの閉店があった。
テナントではなく住宅の一階が店舗のところがある。
それが、近所だが別の商店街にあって、夫婦でやっていた。もう八十歳半ばだから、夫婦ともに引退を考えていて、よく手伝っている息子が跡を継ぐとばかり思っていたけれど、息子は大病をして無理だと言う。少し前に危ない状態になり、命は助かったけれど商売の後を継ぐのは厳しすぎるとのことだった。
そうしたら、店はシャッターが閉まったままになった。この話に先の議員は驚いていた。かなり昔から馴染みだったが「最近シャッター閉まったまま」には気づいてなかったそうだ。
そのような、店についての寂しい話があったのだった。



コメント