最近やけに活発な日蓮宗の顕正会という宗教団体。
その勢い一因は、創価学会を辞めた人たちが続々と入ってくるためらしい。創価学会は、公明党が自民党と組んで権力の亡者になった影響で、元々の堕落がさらにひどくなったから、ということらしいが、まあ部分は、一応そのとおりだと思う。
その会員から機関紙をもらって読んでみた。
あの池田大作の大著『人間革命』は、どうせゴーストライターの手によるものだと、顕正会員はコケにしていたが、それは普通のことだろう。
この映画化では、創価学会の前身である創価教育学会を創設した牧口常三郎が、伊勢神宮参拝を拒否するなど国策に反抗したため弾圧に遭い獄死したことが描かれている。これに怒っていたので、弟子の戸田城聖は、みんな明治神宮に拝礼しているのに反抗して背を向ける。
ところが、映画を観ると牧口は戦争に反対して宗教弾圧に遭ったと思ってしまうが、実は、戦争に勝つためには法華経を唱えないといけない、神社なんて駄目だ、と主張して迫害されたのだった。
そういう創価学会の嘘は悪いと顕正会は言うが、しかし戦争に関しては、日蓮宗でないと負けるし神道は無力なのは本当だと言う。
そして今、中国が米国と覇を競う影響で日本は脅威にさらされ、それを政府も軍拡の理由にしているけれど、しかし自民党は神道など無力な宗教の圧力団体から支援されているし、連立している公明党を支えているのは日蓮宗とはいえ堕落しきった創価学会であり、だから日本は軍事的にも外交的にも、経済的にも、さらにはコロナウイルス新型肺炎のことでも、何から何まで駄目なのだというのが、顕正会の主張である。
それが如何であるかは別にして、神道が無力というのは本当ではないか。
もともと神社など古来の信仰は「ありのままに」という穏やかなもので、仏教などの「あるべき」というものとは相容れなかった。その特徴を無視して、外来ではないから国粋主義のイデオロギーにするというのは無理すぎる。