松田九郎という出来損ない政治家の思い出
- 井上靜

- 8月23日
- 読了時間: 3分
更新日:8月24日
映画化で話題の南京大虐殺で思い出した国会議員がいる。
それは『朝まで生テレビ』という番組の初期。松田九郎という自民党の国会議員が、複数回出ていた。それをたまたま見たことがある。
その時、アンケートで若い人たちの多くに、戦争になったら逃げると言った人が多かったという話題が出た。これに対して松田九郎は「情けない」と言った。「最近の若い者は」という調子だった。あとは学校教育が悪いというお決まりの話だった。
こんな話しかできないのか。なんで、政治家として政治の責任を痛感していると言わないのか。政治家が汚職をやったりしていると不信感を持たれて、誰も国のために尽くそうとは思わなくなってしまう。これは昔から言われてきたことだ。それを社交辞令としてさえ言う発想がない松田九郎。
このあと続けて、辻元清美(後に国会議員)が南京大虐殺を口にした。
これに松田九郎は、なんで話題に出たのかを無視し、そのときの話題から逸脱して「南京大虐殺」という言葉に反応して「そんなものは無かったのお。何の本で読みましたかあ」と下品な調子で言った。
これに辻元清美が「南京に行って、生き残った人たちの話を聞きました」と答えたところ、松田九郎は沈黙してしまった。
これでは、松田九郎こそ何の本で読んだのかと逆に質問されそうだが、そうならなかったのは、松田九郎が本も読んでないことが明らかだったからだ。なんだか「南京大虐殺は無かった」と言っている人がいるという風説を聴いて安易に受け売りしただけだったのだ。
これは櫻井よしこが産経新聞に書いたというのとは違い、政権与党の国会議員の公言である。場合によっては外交や貿易など経済に悪影響して国益を損なう。そういう自分の立場と責任を松田九郎は全く考えてない。
そして決定的だったのが農産物輸入の問題。
松田九郎は「みずほの国」と付け焼刃で安直に言い、日本の農業を保護するべきだから外国から輸入なんてとんでもないと説いた。そこで、農民を失業させてはいけないと言い、農民はスキルが無いから転職できないと事実に反したことまで言ったうえ「農民は筋肉労働しか能がない」と言い放ったのだ。
まったく、単純作業だと思い込んでいて農業に失礼であり、農民のことも侮辱している。これで松田九郎は票欲しさで農家の人気取りをしているけれど実は日本の農業のことなどまったく考えてないし農業に携わる人達を内心で見下していたことが露呈してしまった。
こうして松田九郎は次の選挙で落選する。

松田九郎が死んだら彼と親しい人が言った。
彼は「酒より色を好んだ」と。いい歳した男が、しかも社会的地位がある人なら、家庭を持って妻子を大事にしているものである。それを酒と同列の欲望としていたということになる。
そして遊び人という柄ではないし、なによりはっきり言ってブ男でガマガエルを思わせる顔だった。ルッキズムではなく、あれでは地位と金にものを言わせないと無理だということである。
ほんらいなら、良識ある社会人として健全な家庭生活を営んでいるはずの立場でありながら乱れたことをしていたのだろう。それがしたいだけで国会議員をやっていて、国会議員になっても社会のため国のため国民のために働く気が無く、ただ自分の欲望を満たすため、という人だった。だから国会では野次が専門。せいぜいその程度の能力。
他にも同じような人はいるだろうが、松田九郎は言動が駄目すぎてバレたということでは稀有な例である。



コメント