杉田水脈が特撮を好む事情
- 井上靜

- 4月25日
- 読了時間: 3分
生理のことで女性地方議員を揶揄した杉田水脈。
この人は前に、性暴力の被害に遭ったと訴える女性に対して、SNSで匿名で卑劣な嫌がらせをする連中がいたところ、それを拡散するクリックを繰り返した。これについてテレビでお笑い芸人の男性が「そんなことを女性がやるなんて」と驚いていたけれど、そんなこともやる女性だから、生理のことで揶揄するくらい平気でやるだろう。
だから、二回映画化された小説『キャリー』だったら、杉田水脈は主人公をいじめる同級生の女子に該当するはずだ。

杉田水脈はテレビの特撮が好きだと言っていた。
そういう女性もいる。事情は色々で、例えば男の子と一緒に遊んで「戦隊」ごっこをすると紅一点の隊員役ができて楽しい、など。
しかし杉田水脈の話を聞いていると、彼女が主に男の子むけのテレビ番組を好むのは、女の子むけの番組だと自分のような女性は悪役なので好きじゃないのだろろう。そうとしか思えない。少女漫画や女の子むけテレビアニメには、主人公をいじめる嫌な女子が必ずといっていいほど出てくる。それが自分と同じタイプなら、それを悪役にしているドラマは面白いわけがない。
これはライバルへの嫌がらせとは異なる。
よく昔あった少女漫画で、例えばバレリーナを目指している主人公は、トゥシューズの中に針が入れられるのが定番だったけれど、こういう陰険なことは男性でもする奴がいる。ベーブルース伝では、入団したばかりの彼が寮で寝てるところへ濡れた新聞紙を投げつけられたりの嫌がらせを受けたことが出ている。これは、プロ野球の、アメリカの、男性の、実話である。
こういう陰険なことは褒められたものではないが、嫌がらせする動機として理解はできる。そういうのとは異なる、出自や属性に基づき自分が優越感を得たいがためのいじめが、杉田水脈の特徴である。
先日死んだ曾野綾子と同じである。
あの人は幼稚園から大学まで聖心女子大のお嬢様だったというのが唯一の売りで、ありとあらゆる差別と弱い者いじめをマスメディアで商品としていたし、キャラとしては少女漫画で主人公をいじめるお嬢様が漫画から抜け出して、漫画と違って歳をとるから、嫌な御嬢様が嫌な婆様になっていた。
そういうキャラであるから、それが悪役になる少女漫画は避けて、曾野綾子は聖書の曲解、杉田水脈は特撮ものの曲解、ということなのだろう。聖書にとっても特撮物にとっても迷惑なことである。
要するに利用する者が悪い。
曾野綾子の露骨な差別と冷酷で残忍な言動は、あの精神病歴と関係があると指摘していた文芸評論家がいるけれど、それで利用していた文藝春秋社や産経新聞社ら右派メディアは、喩えれば狂人に刃物を握らせて暴れさせているようなものだった。
これと同じことで、あくまでも杉田水脈を国会議員にしたい自民党が悪いのだ。



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