放火事件の容疑者は食い詰めて自棄になった元職人だったが
- 井上靜

- 2022年1月19日
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過日の、何人もの犠牲者が出た放火事件の容疑者は、預金残高が僅かだった。
また、この報道によると、彼は家庭の事情その他いろいろあって食い詰めてしまい、生活保護の相談をしていたのに実現しなかったということだ。そのさい「もういい」と短気を起こして帰ったことがあったらしい。おそらくツベコベ言われてしまったのだろう。この男性はもともと職人で、腕が良く、後進の指導も上手だったが、そういう人にありがちな頑固者だったそうだ。

そこから事件とならないように福祉制度がある。
もちろん、生活保護は生存権に基づくものであるが、その事件のように困った人が自棄になると危険であるから、この観点も重要である。昔から指摘されている常識だ。これは米国で言われていることだが、どんなに警察の予算を増やしても福祉で防げる犯罪の方が多く、しかも安上りだという現実から、社会保障は合理的かつ経済的なのだ。
また、頑固な職人ではなく知識人が食い詰めたら社会の破壊になる。
もともと食えない芸術家と同じことは知識人にもあるが、ただその鬱憤だけでなく、スポイルされている場合は、社会に対して攻撃的になる。
理科の教師が東海村から盗んだ原料で原子爆弾を造って政府を脅迫する映画があった。
この劇中、主人公がテレビをつけるとウルトラマンのシリーズの一つの最終回が放送されている。この最終回の監督が前のシリーズで監督をした中に、子供のころから成績優秀だった男が、金にならない生物学なんてやっていると父親から言われて、その反発から新しい生物を作って自分は天才だと嘯くものの、それが怪獣になって暴れ出してしまう、という話があった。
また、ハリウッド映画では、細菌兵器を作って政府を脅迫する学者の話がある。SFだから細菌兵器だし、子供むけなら怪獣やロボットを作って暴れさせるけれど、これらは要するに知識人が社会に鬱憤をもっていて、その知識を用いて自分を疎外する社会に復讐するため破壊的になるということだ。
そして弁護士が失業者になると革命や叛乱である。
レーニンもガンジーも食い詰め弁護士だった。レーニンは兄が反政府運動に関与した疑いで殺され、ガンジーは人種差別に遭って暴力的に扱われ、それで堪忍袋がブチ切れたのだった。
そして今の日本では大卒・院卒の失業者が増加傾向にある。そのうち職人がガソリンぶち撒いて放火どころでは済まなくなるのではないか。



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