オウム真理教事件の当時、教団の信者でもある顧問弁護士がテレビで怒っていた。
批判するさい統一教会を引き合いに出した人がいたから「統一教会なんかと一緒にしないでください」と。ところが、この弁護士は別の番組で、教団施設がある山梨県上九一色村で反オウムの先頭に立つ人(その当時けっこう年配だったのに最近も健在であったと伝えられた)について「あの人は日本共産党員だ」と言い出した。
実際に、この人は日本共産党員であると公言し、オウム真理教事件でマスコミから反オウム活動の旗手として取り上げられたことで有名になると、選挙で共産党のチラシ広告に登場して広告塔の役目をしていた。
それで、オウム真理教を批判するのは共産党員だから、と言うことだ。つまり、統一教会なんかと一緒にするなと怒っているけど、一緒だったということ。統一教会は、霊感商法など反社会的活動が問題になるたび、批判しているのは共産党だと言っていた。
かつて統一教会は「天皇拝跪」の内部告発が騒ぎになっていた。
この教団の教祖である文鮮明(ムン=ソンミョン)はキリスト(救世主)の再来であるから世界で一番偉い人であるとして、アメリカでは教団の米国支部長が合衆国大統領に成り代わり平伏す儀式をするなど各国で同じことをしていた。だから日本では統一教会の日本支部長が天皇に成り代わり韓国人の教祖に平伏す儀式を執り行っていた。
この内部告発が『文芸春秋』に掲載されると、読んだ日本の右翼関係者は驚き激怒した。当たり前だ。しかし、その後も自民党の政治家たちは、選挙で組織票を集めてくれるので腐れ縁を続けていた。
その内部告発で騒動になったら、統一教会は共産党の陰謀だと言っていた。
まったく、共産党が文芸春秋に内部告発を掲載させるという荒唐無稽さには誰でも呆れるだろうが、だいたい宗教団体は、こんな調子である。創価学会だって幸福の科学だって同じである。
もともと、宗教団体は日本の赤化を防止するため利用されてきた。これは戦前からで、創価学会の前身である創価教育学会を創設した牧口常三郎が特高警察の弾圧に協力していたことは昔から『文春』などで報じられてきた。戦後になると米国の占領政策という形で引き継がれた。
だから、反共であれば宗教団体はやりたい放題で、違法行為があっても警察は手が出せないし、さらに税制の優遇を利用して組織を拡大し、選挙で自民党に協力してきた。これを利用してオウム真理教も勢力を拡大したのだ。
そういうことが続けられてきたあげくの安倍元首相殺害事件ということだ。
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