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  • 執筆者の写真井上靜

加藤寛と竹中平蔵と久米宏

更新日:2021年8月6日

 菅総理大臣は就任するなり竹中平蔵もと総務相と鼎談したので、この路線が継承されたうえ強化もされるのだろうという暗い予想が出ている。

 この竹中平蔵という人は加藤寛という人の後継者である。これは慶応大学の体質を表している。

 この加藤は曲学阿世の学者だという評判が一般的だった。中曾根康弘総理大臣が労働運動つぶしであったと公言する国鉄分割民営化は、この加藤が中心になって正当化していたけれど、あまりにひどいデタラメなので啞然とした人は少なくなかった。また、大学でも経済分野の学者たちは一様に加藤の荒唐無稽を指摘していた。「バブル経済」と「地価高騰」があれだけ問題になっても、それで日本全体の富が増えていると言ってのけるなど、言うことが無茶苦茶であるから。

 それでも強引に「専門の学者」が説いたことにしてしまう政治手法がまかり通ってしまうわけだが、この手助けをしたのがテレビであった。

それでも『ニュースステーション』に加藤が出たさい、この時は久米宏が不在で小宮悦子が相手をしていて「そうなると、富む者は更に富み、貧しい者は更に貧しくなる」とツッコミを入れていたのだ。

 これが久米宏だったら、素晴らしい改革だと絶賛した。彼はもともと「新自由主義」を信奉していて、加藤や竹中の説くことは「今だけ、金だけ、自分だけ」と皮肉られているけれど、そうすれば世界は自然と上手くいくのだというのが、久米宏の発想である。彼は常にそれに基づいて発言というより放言してきたのだ。

 そうして高い金をもらってきた久米宏が、空々しく今の政治を憂いて見せるのだから滑稽というか腹立たしいかである。だが、まだ騙されたままの人がいる。

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