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リーダーズダイジェスト誌の思い出

  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2021年8月3日
  • 読了時間: 3分

更新日:2021年8月4日

 今はインターネットの「まとめサイト」というのがあるけれど、主要マスコミの記事と論調をまとめて世界情勢などの概要を把握できると謳う米国の雑誌が『リーダーズダイジェスト』だ。この日本版は略してリーダイと言われた。

 この日本版は70年代までは盛んだったが80年代の後半になると経営難で撤退した。新聞で報じられた原因は、日本は郵便料金が米国に比して高額であるため、郵送を主な流通手段としていた同誌には負担が重すぎたということだった。

 ところが、後から出版労連が、あれは偽装倒産だと言って騒ぎだした。都心部の交通量が多い駅前でビラ配りするなどしていた。ほんとうは労働組合をつぶすためで、流出した内部文書には「組合のスローデスを図る」と記載されていた。そして会社の資産は米国に持ち逃げ。



 このリーダイは「CIA雑誌」と言われ、内容も米帝国主義の情報戦略の一環というべきものだった。

 そこで花形だったのがバロン記者であった。冷戦時代に反ソ・反共・反中・反イスラムで活躍し、「リーダイのバロン記者」というと「またか」という感じであった。最近死去したニューヨークタイムズのシーハン記者や、あるいはハ―シュ記者など、そういった「リベラル」「反権力」「告発」のジャーナリストとは対極にあった。


 そんなリーダイだが、別冊では古代文明とか地球科学とかの豪華本があった。

 それはハードカバーでカラー写真豊富、懐かしいソノシート付きだったりもする。地学では噴火の録音と竹内均による解説だった。

 ただ、ちょっと買うとダイレクトメールが執拗で、あまりのしつこさにうちの親が辟易してしまい、購入申込用のはがきに「ダイレクトメールがいくらなんでも多すぎる」とだけ書いて投函したことがある。

 この本誌も単行本も、そのCIA調を割り引いて読んで参考にしていた。

 この後、米国の方針が変化し、かつてリーダイによって喧伝していた世界情勢を、米国の大手マスコミが打ち消して違うことを上書きし始めた。だから、今の米国発の報道を否定しているロシアのプロパガンダ英語国際放送『RT』などが、かつてのCIA雑誌リーダイと一致しているのだ。

 かつて熱心にリーダイを読んでいた者としては、今の米国メディアが垂れ流す情報と、それを無批判に受け売りする欧州および日本のマスメディアに、強い違和感がある。周辺の事実と整合性が無いのだ。


 なのに、それを言っても意味が解らない人は、ロシアのメディアを情報源にして反論していると勘違いする。

 これがインターネット上の「反自公ネトウヨ」だけでなく朝日新聞の現役記者まで同じなのだ。いかに今の大手マスコミに勤務している人たちが、記者クラブ垂れ流しと受け売りしかできない人ばかりであり、多様な情報源を照らし合わせたりバランスシートにかけたりして自ら判断する能力が無いか、ということだろう。 


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