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デビット=リンチ監督が死去

  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 1月19日
  • 読了時間: 2分

更新日:1月19日

 デビット=リンチ監督が亡くなった。

 その訃報で、よく『エレファントマン』『ツインピークス』の監督が死去と見出しになっていた。出世作とヒット作だったからだ。

 かつて『エレファントマン』が話題になったあと、その前の未公開作『イレイザーヘッド』が公開されて、その不気味さと不条理さに、この監督は何を考えているのかと言った人が少なくなかった。しかし、そこに何とも言えない悲劇性と喜劇性が混ざったような切なさがあった。




 大作『デューン砂の惑星』は雇われての監督作だった。

 もちろんリンチ監督らしい気持ち悪い描写もあった。最近のリメイクの方が原作の雰囲気に近い。

 そのあと同じ主演者で『ブルーベルベット』を作り、これは傑作と言われた。

 そしてまた同じ主演者で連続テレビドラマ『ツインピークス』を作る。


 『ツインピークス』の放送が目玉商品となりwowwowが経営起動に乗ったといわれた。

 また、地上波放送のさい、これをネタにして同じ出演者をドラマと同じ役柄で出すCМも製作されて放送された。今思うと、それだけ当時の日本には外貨があったということだ。「バブル」の直後という時期である。


 『ワイルドアットハート』は上手くいったと語っていた。

 どういう経緯か、当時の『朝日ジャーナル』でインタビューに答えたリンチ監督は、上手くいったので「天にも昇る気持ち」と言っていた。

 たしかに、最初から最後まで順調という感じの好調な映画だった。


 ローラパーマーは学園祭の女王の美少女だったけど、内面や家庭などから、ある意味でフリークだったので、エレファントマンと同じように死は救済だった、という切ない話であってミステリーでもサスペンスでもないと『ツインピークス』を観ながら感じた思い出がある。

 『ツインピークス』の完結編『ローラパーマー最後の七日間』は、『エレファントマン』と同じで死は救済という結末だったが、そういうのは作品全体を見ていると一部のものであった。


 作品を語っていたら、まだまだ話はあるのだが、それより、話題になった当時のことを訃報によって思い出すことが多い監督である。 

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