スパイ防止も治安維持も題目は結構なことだが
- 井上靜

- 10月25日
- 読了時間: 2分
更新日:10月27日
小野田紀美が言った。「スパイ防止法に反対する人ってスパイじゃないんですか」
これにネトウヨが賛同しているのはしょうがない。大体ネトウヨは馬鹿だから。そもそもは、単にネットの右翼という意味だった言葉が、無知でバカなことばかり言う人がいっぱいだからバカな奴らという意味を含んだ言葉に転化したのだ。ネットでグダグダ言うしかない右翼かぶれということもあって。それを、この件で自ら証明した。
しかし政治家が馬鹿では困る。
「スパイ防止法はスパイを防止する法律だから反対するのはスパイ」というのは「治安維持法に反対する人は治安を乱したいからだ」と同じこと。そもそも、どんな法律も、題目や建前は必ず正しい。問題は、その具体的な運用がどうなるか。これは法律の基礎である。
それが解らない無知な人がいるのも現実だけど、ネットでグダグダ言う右翼かぶれどころか、法律を作るのが仕事である政治家が、法律の基礎を解っていない。この国の破滅的な実態が表れている。
イヴモンタン主演、コスタガブラス監督の『告白』は、チェコで実際にあった事件が基。
ナチなどの外敵と勇敢に戦った英雄で愛国者の政治家が、彼を失脚させようとする政権内の者に陥れられ「西側のスパイ」だと告白するよう強要され、拒否したら拷問される。昔からスパイの追及とはこんな調子だった。

かつて日本の治安維持法でも、まるで関係ない人が疑いをかけられて人生が狂った人がいた。拷問されて死んだ人も。
もちろん、具体的にスパイを防止する法律は、既に日本には二桁の数ある。なのに漠然としたスパイ防止を言い出したのは統一協会の悪だくみだった。具体性がなく漠然としていれば乱用して弾圧できるから。
これらは周知のこと。
そうした政治的な問題の他に、立法府で働く国会議員が法律の基礎すら知らないことの方にこそ、むしろ暗澹たる気持ちにさせられる。馬鹿でも務まる国会議員どころか、馬鹿ほど政権内に入っていられるのだから。



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