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クロワッサンと中国人留学生

  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 8月1日
  • 読了時間: 2分

 フランス人はなぜパンを食べても太らないのか

 という『日経』の記事があった。フランス人は食事の際のひと切れを大きな楽しみとし、昼食やおやつとしてもパンを選んでいる。それでも太らないのは、食べるときの基本ルールがあるから。では、フランス人が実践するパンの食べ方とは、どんなものなのか。

 という記事だった。


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 ところが、それに異が唱えられた。

 「細身のパリジェンヌが、カフェでクロワッサン食べてカフェオレ飲んでいる様子がオシャレ」みたいに思われてるけど、実は違うそうだ。

 なんてことない。若い子は、お金ないだけ。働いてて忙しくて休憩もちょっとしかない。だから、日本で時間も金も無い人が吉野家牛丼を掻き込んでいるのと同じ。クロワッサンは「パリジェンヌの吉牛」とまで言われたことがあるそうだ。

 

 そういえば、鄧小平も、仏留学した時にクロワッサンばかり食べていた。

 あのとき水じゃなくミルクが飲めたら背が伸びたのに、と悔いていた。後にその小柄さと活躍ぶりからアメリカで「中国の小さな巨人」と言われた。  そして政治家になり国連に用事でNYに行った帰りに、使い残した米ドルが換金する程ではないので使い切ろうということで、お土産としてクロワッサンを周恩来に買って帰った。周恩来は懐かしいと言って悦んだそうだ。この二人が留学中にパリで出逢ったのが中国にとっても世界にとっても運命だった。

 その象徴がクロワッサンということ。


 そういうことがあったから、中国人は外国に行く。

 そして語学にも熱心で通訳として役立つから、店でも交通機関でも雇っている。この熱心さが日本に欠けている。良い前例が無いためだろう。

 また留学生を受け容れると、後に活躍したら留学先の名も挙がる。だから優秀な外国人留学生に配慮しているのに、それを止めると言い出した。日本人で苦労している学生もいるが、それは費用がかかりすぎるのに公的助成が無いなど、別問題である。その八つ当たりはみっともないし、自国の将来にとっても良くない。


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