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やってない鑑定の報告書が検察に提出されていた

  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 9月11日
  • 読了時間: 2分

 なぜバレたのだろうか。

 この部分は報道されていないので不明だが、こんなことがあるのだから他にもあるだろう。佐賀県警は、科学捜査研究所(科捜研)に所属する年齢40代の男性の技術職員が、行ってもいないDNA鑑定を実施したように装う虚偽の報告などをしていたと、明かにした。

 この男は、2017年から7年を超える期間に630件の鑑定を担当したが、そのうち130件の不正が確認され、鑑定してもいないのに実施したと偽った報告が9件あった。


 同県警はその職員を懲戒免職処分とした。

 また不正の中で13件に関し、虚偽有印公文書作成と行使などで書類送検したとのこと。県警は再鑑定をしたと言い、検察は不正の報告で裁判で採用されたものは無かったと言う。ほんとうかと疑問を持ってしまうが、このようなことがあれば他にも不正があって、その中には裁判で採用されたものもあった可能性がある。

 先日も証拠の捏造が冤罪事件を発生させている実態が騒ぎになっている。そういうことと合わせて考えれば、やはり刑事裁判は恐ろしい不正を権力の側がやっているのだと深刻に考えないといけない。テレビドラマと現実は違う。


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 先日の傍聴記でも述べている。

 刑事裁判で、物的証拠の鑑定について技術職員が証人として出廷すると、検察官は最初に「鑑定の仕事をしてどのくらいの期間か」と質問する。これに対して証人の技術職員は「5年以上」などと答える。 

 これは、それ相当に経験があるから間違いないという趣旨のやり取りである。ところが7年もイカサマをやっていた人が科捜研にいたということである。

 これは故意であるから、怠けたとかいうことだけではなく人を陥れようとしてやることもあるわけだ。そこで検察官もグルであれば不正がまかり通ってしまう。


 そういうことが裁判で問われない。

 あくまで法廷で問われるのは、警察に間違いがあるかということだけで、不正をやっていないかは問われない。不正は一切の追及がされない。そして間違いがないという前提で訴訟は進行する。

 これこそ真昼の暗黒であり、とても恐ろしいことである。

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