また、医師に甘い判決
- 井上靜

- 4月29日
- 読了時間: 2分
その交通事故の裁判。
これは37歳の医師がフェラーリを120kmでぶっ飛ばし、右折する対向車と衝突して9歳女の子を死亡させた事故であった。
危険運転による致死で重罪のはずである。ところが「右折する際十分に確認しなかった対向車の事情も影響」として医師高倉裕征被告に禁錮3年・執行猶予5年の判決となった。

執行猶予は甘すぎると批判の声が上がっている。
さぞ女の子の親は無念だろう。まさか対向車が120キロで暴走してくるなんて、誰も想像もしないだろう。一般道路でそんな高速で暴走しておいて、ぶつけられた方にも責められるべきだという裁判官。
常識がなさ過ぎると非難している人たちがいる。金持ちのだから、医師だから、つまり「上級国民」だからというのは不当すぎるということだ。
しかし司法の世界では、むしろ常識である。
医療過誤訴訟の時も、そうだった。
医学的に非常識な手術で手が動かなくなり音楽大学の受験を諦めたという患者の被害について、医師の弁護士は「そんなものは損害のうちに入らない情緒的な話で、しょせん芸人になりそこなっただけ。それに対して医師は社会的地位が高い。その程度のことで貶められるべきではない」と主張した。
社会的責任の重い立場だから厳しくて当然ではなく、社会的地位が高いから甘くして当然なのだ。
これが裁判の実態である。



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