お行儀の悪かった日本人と列車
- 井上靜

- 2021年6月16日
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1927年10月6日の朝日新聞に「うなどんで重傷 汽車から投ぐ可らず」の見出しが載っていて、過去の記事を調べていた人が、これは何事だったのかと読んでみると、汽車の乗客が、鰻丼の食べ残しを走行中の窓から投げ捨てたところ、線路の作業員を直撃して大けがとなってしまった、という事件だった。
その後も、列車の窓から投げ捨てる描写が、小説や映画で普通にあった。
また、投げ捨てるというより走行中だから撒き散らしてしまうという発想でやることもあり、例えば松本清張の小説『砂の器』では、証拠品を細かく刻んで走行中の車窓から散布する場面がある。

そもそも、昔の列車は便所からして「走行中に使用してください」という注意書きがしてあったものだ。
これは、走行しながら散布してしまうということである。しかし、野山の線路なら周囲に撒いても自然乾燥したり土に還ったりだが、沿線に家がある場所だって当然あり、干している洗濯物が黄色く染まってしまうことがあったそうだ。
この話題、かつて、子供向けの雑誌に、よく取り上げられていた。雑学として書かれているけれど、半分は笑い話になっていて、可笑しいけれど笑ってばかりもいられない現実ということだった。今は昔だが。



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